いつもイイネやフォローありがとうございます✨
更新の励みになっています



まだの方はフォローよろしくお願いします

あの日の暑さを、
今でもはっきり覚えてる。
真夏のパチンコ屋の駐車場。
車の中はサウナみたいに蒸し暑くて、
シートに太ももがくっついてベタベタした。
母は「すぐ戻るからね」と言って、
妹と私を置いて消えた。
助手席には2歳の妹、
ぐったりと眠っている。
私は5歳。
母がいない時間が、
すぐに終わることじゃないと、もう知っていた。
窓を少しだけ開けてくれていたけど、
風なんてまったく入ってこない。
喉が渇いて、口の中がネバネバした。
でも…言えなかった。
「ママ、水…」って。
言ったところで、
水なんて買ってきてくれないこと、
何度も経験してたから。
代わりに、私は妹の汗を拭いてあげた。
泣かないように、
ただただ頭をなでた。
――なんで私たちはここにいるの?
――なんで、ママはいないの?
その疑問を持つことすら、
許されない空気の中で、
私は少しずつ、
言葉を飲み込むことを覚えていった。
その日からずっと、
私は「いい子」でいるしかなかった。
続きです↓