義父は、老健から水頭症を疑われ、

病院の脳外科に入院し、

様々な検査を受けましたが、



結果は、

骨折り損のくたびれもうけ。

怪我しただけの2泊3日と

なってしまいました。




もやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもや





4月30日金曜日、

午前中に退院、との連絡を受けて

私は車で義父を迎えに行きました。




病棟のラウンジで待っていると

義父の担当医である

H医師がやって来ました。




彼の説明によると



"義父の脚の筋力低下は著しく、

水頭症の手術を受けても

その効果が得られない"



と言うものでした。




そして、

懸念された下肢静脈の血栓も

肺に飛ぶ危険は少なく、




逆に、

血液サラサラにする薬は、

義父にとってリスクになるので

投与しないと言われました。




義父は、

転倒による脳内出血の可能性がある。



転倒したら、

血液がサラサラになっていると、

出血が止まらなくなり危険だ、

と判断されたからです。




もやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもや





結局、何も改善されず

水頭症が治るという希望も消え、

私達は、とぼとぼと

隣の老健に戻りました。




義父の車椅子を押しながら、

私は、義父の頭頂部を見た。




昔はあんなに剛毛で、

みっちりと生えていた黒い毛髪が、

今では、見る影もなく




柔らかそうな白髪に変わり、

うっすらと頭皮を覆っている。




おじいちゃんの頭、

こんなに小さかった?




歩いていると

まるで夏のように暑く、

私は、半袖のTシャツでも

汗ばむほど。




車椅子の上の義父は

寒い、寒いと言う。




おじいちゃん、老健に帰ったら

リハビリ頑張って、

筋肉つけようね、


と、まるで子どもに話しかけるように

言う私




義父の頭頂部を見ていたら

昔の記憶が

ふっとよみがえってきました。




私はこの義父に

散々、酷いことを言われてきたんだ…





もやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもや





まだ子どもが小さかった頃。




義両親と私達家族は一緒に

群馬県みなかみ町の

宝川温泉に行きました。




その時、子どもはふたり。

3歳の男の子と1歳の妹。




その頃、私は毎日の育児に追われ、

のんびりする時間なんて無かったので

この温泉旅行を楽しみにしていました。




宝川温泉は、泉質も良く、

大きな露天風呂が有名です。




早朝、太陽が上るか上らない頃を見計らって

私達夫婦は、露天風呂に行きました。




子ども達は、まだ

私たちの部屋で寝ています。




心配でしたが、

少しの時間なら平気かなぁ

まだ起き出す時間ではないはず

と、私達なりに大丈夫だとふんで、

お風呂に行きました。




ほんとに僅かな時間でしたが

私には至福の時間でした。




朝日が上るのを体感しながら、

たっぷりのお湯に浸かっていると

日頃の疲れがじわりと

溶け出すのを感じていました。




久しぶりの解放感❗️




クローバークローバークローバークローバークローバークローバー




その時、

私の目に飛び込んできたのは❗️



紛れもない義父でした❗️




ガーンガーンガーンガーンガーンガーン




そこは、混浴ですが、

巨大露天風呂なんです。




まだ空も明けきらない早朝

露天風呂の隅っこの方に 

誰かいたら




そこは避けますよね〜、普通。




それなのに、義父は

ざばっ波 ざばっ波っと 

音を立てて、

こちらに近づいてくるではありませんか❗️




タオルで前を隠し、

こちらに向かって歩いて来る義父❗️




私は、その時34歳。

授乳中なので胸も張っていて

絶対に体を見られたくない!




夫が、義父に離れるように言いました。

しかし、呑気に義父は義母と

お湯を楽しんでいるのです。




子どもが心配なので、

夫に急いで

先に部屋に帰ってもらいました。




結局、

私は、義父がお風呂から出るまで、

お湯から上がれませんでした。




その挙句、

義父から言われた言葉




アンタは冷たい母親だな


よく、子どもを置いて

風呂なんか入れるもんだ❗️




もやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもやもや





老健に戻る道すがら、

義父の背中を見ながら、

車椅子を押して歩いていたら




その時の記憶がふっと

よみがえってきました。






続きます。