スポニチアネックスさんの会見書き起こし記事をまとめましたニコニコ
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男子フリーが行われ、14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)は215・83点をマークし、合計319・36点で5年ぶり5度目の日本一に輝いた。演技後、フジテレビのインタビューでのコメントは以下の通り。

――演技を終えて
 「ステップ4取りたかったなというのが正直な気持ちと、まあとりあえず、スピン丁寧に回れたんで良かったと思っています」

 ――あらためて演技を振り返って
 「まず、ちゃんと客観視しながら、なんですかね、練習してきたことをしっかり信じて、体の感覚を信じて、やりきれたのは大きいと思いますし。なによりも昨日、ああいうプロだからこそなんですけど、初戦ということでちょっと力が入りすぎていた部分とかもあったので、昨日それを感じられて良かったなというのが率直な感想です」

 ――4回転ループから入って、4回転サルコーでは高い加点がついた
 「まあ、まずループジャンプというジャンプでまあ、流れを出すのってすごく難しいんですけど、まあ、それでも、流れを殺さないで、きれいに加点が付くループジャンプが跳べたっていうのが僕にとっても久しぶりですし、すごく心から良かったなと思える点です。サルコーとトーループに関しては、凄く自信を持ってやっているジャンプですし、長年一緒にやってくれているジャンプたちなんで、自信を持ってやりました」

 ――どんな気持ちでこのプログラムを
 「この曲の背景には、上杉謙信公がいらっしゃるんですけど。とにかく僕自身、競技することはやっぱり好きだし、闘うということの中から凄く、なんですかね、楽しみというか、集中の仕方だったりとか、その刺激はすごくまあ、たまらないものになっているんですけど。ただ、その中でも僕自身が、その、闘っても勝てなくなってきたり、また、苦しいというような、なんか苦悩に駆られたり。また、僕が1位になることで、誰かが2位になったり、3位になったり、犠牲があるということを感じながらやっていたので、なにか謙信公の闘いということに関しての価値観みたいなものに影響されているので。今、この世の中、闘わなきゃいけないことたくさんありますけれども、何かみなさんの中にちょっとした芯みたいなものが、闘う、向かっていく芯みたいなものが見えたら良かったなという風に思います」

 ――世界選手権に向けて
 「まあ、世界選手権、やれればなんですけどね。もちろん、とにかく、なによりも世界が早く平穏が戻って、僕自身も平穏な暮らしをしたいなというのが今の率直な思いです」





―SP、フリーを終えて
 「去年、だいぶ悔しかったんで、ちょっとリベンジできて良かったなって気持ちは少なからずあるんですけど、まあ、何より、やはり、う~ん、こういう状況の中でコーチを呼ぶのも、やはりコーチたちにも悪いですし、なにより、あの、もし1人でできるのであれば、世の中的に自分が胸張って試合に出られるのは、やはり、コーチを呼ぶべきじゃないと自分の中では決断したので。まあ、この状況で、こういういい演技ができたのはホントに良かったなと。それと、あとは、やはり、1人でやってきたとはいえ、ここまで支えてくださった方々がたくさんいらっしゃるので、その方々に感謝を申し上げたいです」

 ――1人でやることの難しさは
 「たとえば、前のシーズンに宇野選手が1人でグランプリを闘った試合だとか、そういったものもありましたし、そういった中で、やはり難しいんだろうなということを感じていました。また、僕自身もグランプリファイナルではコーチがちょっとトラブルがあったりとかして、ショートプログラムは1人でやって、で、うまくいかなかったっていう経験もありました。やはり、これだけ長い期間、1人でやるというのは相当、迷いも悩みもすごく増えましたけれども、1人でやっているとはいえ、どこかしらで、なにかしらでつながっているんだなということをあらためて、1人で練習していたからこそ感じたので。今回も遠くからいろんな力を、もちろん文章とか言葉とかでアドバイスをいただいたりとか、また、逆にそういった具体的なものだけじゃなくて、すごく遠くから力を送ってくださった方々もたくさんいらっしゃると思うので、まずはそこに感謝したいなって気持ちでいっぱいです」

 ――フリーでの収穫、手応えは
 「まず、まあ、自分自身、このプログラムにすごく思い入れがあって。曲を聞けば感情はすごく入りますし。もちろん、振りの1つ1つにいろんな意味を込めています。ただ、その中でも、やっぱりジャンプも完成させないと、プログラムの一連の流れとして伝わるものが伝わらなくなってしまうと思うので。まあ、初戦だったとはいえ、自分が伝えたいこととか、このプログラムで見せたいことっていうのは、ジャンプが途切れなかったという意味でも少しは見せられたのかなと思います」




――このプログラムで伝えたかったこと
 「自分自身、去年のシーズンで全日本のこともありましたし、グランプリファイナルのことももあったんですけど。なかなか、自分が成長してないんじゃないかなとか。あとは、だんだん闘えなくなっているんじゃないかなとか、そういった思いがあったりとかしてて。闘うの疲れたなって思ったんですよ、一瞬。辞めることはたぶんいつでもできるし。それを望んでいない人もたぶん、応援してくださる方々はたくさんいらっしゃると思うんですけど。ただ、そういった闘いの中で、試合の中で得られる達成感とか、試合があるからこそ、できる、乗り越えることができる苦しみとか、そういったものが、やっぱり好きなんだなってあらためて思っていたのと。あと、上杉謙信公の話なんですけど、まあ、彼の中にある、闘いへの考え方だったり、だけど、そこには美学というか、あとは規制があることへの葛藤だったり、そういったことから最終的に出家されていると思うんですけど。そういった、なんか悟りの境地のようなところまでいった、上杉謙信公の価値観とかとかとちょっとの似ているのかなと。そういったものをリンクさせながら、滑らせていただきました」

 ――振り付けのこだわり
 「全部です。へへへへへへ。どれ1つ欠けても、このプログラムはたぶん、このプログラムはっていうか、まあ、ここ最近、ここ5、6年のシーズンのプログラムに関しては特に、プログラムとして成り立たないと思うので。なによりもジャンプを力なくシームレスに跳べたというのが、一番表現として完成できた良かったとことだと思っています」

 ――連続性は大事な柱か
 「そうですね。だからこそ、昨日みたいな演技に関しては、ちょっと荒削りだと思いますし。やっぱり見せたい気持ちはもちろんあるんですけど、ただ、その中で“ジャンプ跳べたぜ、やっほ~い”みたいな、なんか“うぇ~い”みたいな感じじゃなくて、もっとなんかスマートに、たぶんロビーだったら、もっとスマートに、イギリスのロックなので、なんか、なんていえばいいんだろう。国とかそういうんじゃなくて、もっと余裕があるロックだと思うんですよ。それがまだ表現できていないかなと昨日は思ったんで。もっと余裕のある、いかしたものにしたいなっていうのはちょっと、昨日を終えての反省点です」

 ――来年はどんな姿に
 「とにかく、今回1人で長い間トレーニングしてきて、まあショートはもちろん課題はありましたし、はっきり言って完璧だったなと言える演技ではないですけど。特にきょうに関しては、すごく安心して、自分自身も安心して、また、見ている方々も安心して見られるような、自分本来の演技ができていると思うので。トレーニングしてきたことのやり方だったり、そういったものは間違いなかった。今の体に合っているトレーニングの仕方だったり、成長の仕方ができていると思うので、それをまたさらにブラッシュアップして、またもっと難しいジャンプに挑みながら、ケガもなく過ごしていけたらいいなと思います」




 ――フィニッシュから数秒、何が見えていた。
 「なんだろう。特に何を考えていたわけじゃないんですけど。ただ、あの、なんていうんですかね、すごくいろんな力をもらえたと思いますし、まあ、闘い抜けたなっていう風に思って、そこにスって立っていたっていう感じですかね。別に何かを見ていたわけじゃなくて、むしろ自分が違うところから見ていた感覚だったので」

 ――スタートの振り付けに込められた意味。
 「なんかあの、まあシェイの、なんていうんですかね、ざっくりとしたイメージなんですけど、なんか甲冑らしいんですよ、そもそも。(身振り手振りをまじえ)なんか鎧がここに合って、ここに兜があるみたいなイメージでやっていたみたいなんですけど。僕の中ではあの、“天と地と”って“と”で終わっていて、もちろん大河ドラマのタイトルをそのまま使わせていただいたんですけど、自分の中では、天と地と、人(じん)、人(ひと)、もしくは自分みたいなイメージが、羽生結弦みたいなイメージがあって。で、その、(身振り手振りをまじえ)ここってたぶん天と地の間だと思うんですよ、で、そこにオレがいるんだぞっていうようなイメージで自分としては意味をつけてやっています」

 ――この曲は琵琶の音をうまく使っている。
 「まあ、あの、う~ん、まあ最初の琵琶はそのまんま、曲そのまんまであった琵琶なので。まあ、曲の流れとして、なんか闘いにいくぞというか、ある意味、決意を込めた、そうですね、決意を込めた、闘いに行くための準備みたいな感じの決意に満ちている感覚です。で、最後の最後にイナバウアー終わった後のスピンやりながらの琵琶に関しては、あそこはそもそもある音じゃなくて、あの琵琶の音をちょっと違うところから持ってきて、違う曲と重ねて、オリジナルなものにしているんですよ。あそこはなんかコレオステップの時に、もう闘いたくないんだけど、守らなくてはいけないって意味で闘いつつ、で、最後、謙信公が出家する時に、自分の半生を思い描いているようなイメージで、そこに琵琶を重ねてみました」。

 ――琴は。
 「日本風なより日本風に持って行きたかったので。あそこは自分の中では信玄公と闘った後に、川中島で闘った後に、霧に包まれて離ればなれになって、自分と向き合っている時間みたいな感じなんで。琴の音とかで自分と向き合いながら、自分の鼓動が鳴っているのとか、血が流れている感覚とか、スっと殺気が落ちていく感じが感じられたらいいなと思います。このプログラムの選曲自体は自分がやっているんで。選曲、編集もかなりバージョン作ってやったので、音自体にもすごい込められていますし。ただ、僕は音楽家ではないので、やっぱりスケートと合わせた上でのものになっているのかなという思いはあります」。

 ――この試合は競技人生にどんな意味があるか「やはり、試合が始まった時に言っていたことが全てかなと。僕自身の望みというか、うん、すごく個人的な意見なので、それを貫いていいのかなっていう葛藤が今でもあるんですけど。個人的にもし、世界選手権があるのであれば、そこに少しでも近づいておかないと、今後に向けて難しいなという思いがすごくあったので。まあ、その今のコロナ禍という暗い世の中での自分自身がつかみ取りたい光に対して手を伸ばしたっていうような感じでした」。

 ――長野でリスタート。
 「もちろん、いいイメージがありつつも、逆にいいイメージがあるからこそ、それを壊してしまわないかっていう怖さと、それにとらわれてしまわないかという怖さみたいなものももちろんあったんですけど。ここまで競技人生長く続けてきて、やっとなんですよ。やっと技術的にとか技術レベルじゃなくて、テニスのフェデラーさんとか、もちろんスケートの小平さんとかもそうですけど、なんかその対人のスポーツでメンタルを使っているというか、経験を使えているの凄いなって思って。フィギュアスケートって使いづらいなって正直思っていたんですよ。ベテランになっても、それをうまくいかせない。でも、やっとそれが生かせるようになってきたなっていうのが今回の試合でした」

 


 




フィギュアスケート全日本選手権で優勝した14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)が26日、男子メダリスト会見終了後に各社の合同インタビューに応じ、胸に秘めた思いを語り尽くした。


 ――世界選手権のその後のことは考えているか?

 「まず、まあ世界選手権があるかどうか、自分にとっては一番大きなことですかね。まあ、うーん。まずは体を動かせるっていうのが一番。やっぱり4回転半を練習することによっての衝撃っていうのは、もの凄くありますし。まあ、そうコンスタントに練習していけるようなものではないので、ある程度しっかりトレーニングしながら体をつくって。まあこの試合に懸けての、この試合に向けての練習は4回転半しないというのを決めていたので。ちょっと何て言うんですかね、試合寄りの体づくりになってしまったので、今アクセルの感覚はちょっとまた変わってきちゃっているとは思うんですけど、またこの試合が終わり次第、体力も回復し次第、しっかり4回転半のための体づくりをしっかりやって、それから練習をして、あとはアクセルがどれくらいできるようになるかですかね。まだできていないんですけど。その今のイメージしている自分のアクセルの幻想と、早く自分の体とのギャップを埋めてつつ。で、できるようになってから、どれだけ跳べるかによってかなと考えています。まあ何よりもなんですけど、何よりも世界選手権が開催されるかどうかもまだ分からないですし。来シーズンの試合がグランプリ含めてどうなっていくか分からないので。とにかく世の中の状況を見ながら自分ができる最大限の努力をしていきたいっていうのが今の気持ちです。その先はまだ分からないです」

 ――コーチと一緒に練習できない難しさや大切さを感じたものがあれば。

 「はい、やっぱり自分だけでは客観視しきれていない部分っていうのは絶対あると思うので。まあ、うーん。こうやって喋っている時だったりとか。それが新聞だとかニュースとかいろんな記事になったり、テレビという媒体から自分の言葉を見たりとかしますけど。その時もやっぱり、あの時もっとこう言っておけば良かったな、ああ言っておけば良かったなって思うように、それと同じようにスケートだってやっぱり自分1人でどうやったって客観視できないところがあるので。そういうところも新しい視点、自分以外からの視点っていう意味ではやっぱりコーチって凄い大事だなって思ったのと。逆に言うとなんですど、これは自分が経験値が豊富にあるからこそ、他の選手たちよりも経験値が豊富にあるからこそ、客観視がしやすいっていう風に思っているんですね。自分自身がどういう風に崩れているのか、どういう状態の時に良い演技ができているのか、悪い演技になっているのか。それをいろいろ考えなおして、コーチがいないながらもその経験を生かし切れたのが、今回の全日本選手権っていう本番の演技とここまで向かっていくにあたってのトレーニングにつながったかなっていう風に思います」

 ――予定構成について。これまでは後半にコンビネーションを重ねていた。今回は若干前倒し。その狙いは。もし4回転半を入れる場合の構成は。

 「まあ4A入れるなら1発目かなと思っているんですけど。まあコンビネーションを前半に今回入れた理由はこっちの方が確率が良いからですかね、簡単に言ってしまえば。あの、この構成を決める前はそもそもループ跳べなかったので、一時期。サルコーすら跳べていなかったし、トーループギリみたいな状況でもあったので、まあ後半に4回転を突っ込んでいる場合じゃないだろう、っていうくらいの時期を経ているからこそ、その1個コンビネーションを前に倒していたっていうのがまず経緯としてあります。その流れで練習していて段々ループ跳べるようになったり、サルコーはもちろん安定していてループがちょっとずつ安定してきた時に、じゃあフリーの構成にループ入れてサルコー入れて。後半トーループ2本コンビネーションにはしていて、最後のアクセルもコンビネーションっていうのも考えてはいたけど。今っていうか、その頃ずっとフリーっていうプログラム自体の全体を見ている時に、最後にコンビネーションを入れるより、前半のアクセルにコンビネーションを入れた方が見た目が良いなっていうのが、まあ一番大きな自分の中の要因です。やっぱりあそこの琴の音から始まっていってちょっと盛り上がって、アクセル跳んで、そのあとループにいくんですけど、そもそも最初あそこはアクセル単発、ループ単発、もしくはルッツ単発、トリプルルッツ単発って考えていたんですけど。何かもっと風が舞い上がるような感じの音が何となく感覚としてあったので、それだったらそこにトリプルアクセルと両手を挙げるダブルトーループからそのままの勢いでトリプルループにいくのが一番表現としてのジャンプになっているかなっていう風に思ったのが今回前半に持ってきた理由です」

 ――北京五輪が近づいている。現時点での位置づけは。

 「率直に言っちゃうとなんですけど、東京五輪できていない今の状況の中で、僕らが、というか僕個人の思いとしては、冬の五輪のことを考えている場合じゃないというのが僕個人の意見。もちろん、スポンサーさんというのもあるし、コマーシャルとか、ホントに国を挙げてやるイベントなので、そこにいろんなお金がかかっているとか。それこそ僕らに知らない世界がそこにはあると思うんですよ。だけど、それに関与していないので。フィギュアスケート競技のスケーターの1人として、オリンピックを言えば、そこはスポーツの祭典じゃなくて、僕にとっては競技の最終目標です。オリンピックって。それだけを考えるのであれば五輪を開催してもらいたいというのはありますし、そこに出て優勝したいっていう気持ちももちろんあります。ただ、その背景に東京五輪すら開催されない現実が今あって。延期しても、それもホントにどうなるか分からないし。たとえば、ワクチンを強制的に打たなくてはいけない状況だったりとか。そもそも観客入れてできるのか、とか。まあ、その収支の兼ね合いも含めて、ホントに五輪というものが開催されるべきなのか。本当にいろんな方々がいろんなことを考えて、いろんな意見をされてると思うんですね。だから、そういう中で僕個人としては最終目標である五輪ということを考えてはいけないっていうリミッターがかかっています。だから、僕が出る出ないとか、それまで現役続けるのか続けないのかとかそういう感じじゃなくて。そもそも、そこに向けてはちょっとシャットダウンしているイメージが強いです」




――スケート人生の最終目標は。

 「とにかく4回転半、試合で降りたいです。試合で。そこは何度も言っているように最終目標です。ただ、今回、長い期間、1人で練習するにあたって、4回転半の難しさっていうか。そもそも、そこまでたどり着けるのかみたいな。夢物語じゃないかみたいな感覚とかまであったことを考えると、本当にそれを最終目標にしていいのかなっていう感じもなくはないです。ただ、自分の心に嘘つかないのであれば、うん。やはり、そこまでたどり着かないのであれば、正直言って今スケートを頑張る理由っていうのが。この社会の中で、この世の中で、自分がスケートをやりたい理由を押し通してまで、トレーニングさせてもらう理由がなくなっちゃうなと思って。だがら、自分の4回転半っていうとても険しい壁に向かって、今突き進んでいて。そこへのハードルはすごく高いんですけど。そこに何か手すりが何もないんじゃないかなと思うくらい高い壁があって。だけど、それを幻想のままにしたくない。絶対に、自分の手でつかみ取って、その先の壁がない壁の先を見たい。それだけが、今この世の中で自分がスケートをやれる理由かなと思っています」

 ――現在のアクセルの状況は。

 「跳べてないです。(1度も?)はい」

 ――コロナの状況が上向けば、また拠点の海外へ行きたいか。

 「まあ、世の中どうなるか分からないのが正直なところですかね。ただ、確信として、今回自分がやってきたトレーニングは間違ってなかったというか。あの、やっぱ自分が経験してきたことをいろいろ生かして、やっとベテランらしく、いろんなトレーニングを積めるようになってきたのは、間違いなくこの試合で結果として表れたので、やっと頑張ったと言えると思う。だから、今回は4回転ループ込みの4回転4本のフリーのために作ってきたトレーニングプランだったのを今度4回転半のためのトレーニングをするって考えたときの絶対土台になるという。それをうまくつくっていくことだけが今考えるべきことかなと思います。それがトロントに帰ってやるとか、日本でやるとか関係なく、とにかく絶対、自分の体とか、自分の感覚とか、自分の技術面、体力面の向上っていうのは一番自分がたぶんわかっていると思う。とりあえずこの1年間で試行錯誤した上で。だから、それをうまく使って、日本だろうがカナダだろうが、まず4回転半回り切って降りるっていう技術的な向上をさせるためのトレーニングを積んでいきたいなって思っています。これで大丈夫ですか?答えになってますか?」

 ――大学を卒業した。練習以外でのコロナ禍でどんなことをしていたか。

 「まあ、でも、家族と過ごす時間がすごく増えましたね。やっぱトロントに行って、家族全員がそろうことがなかなかなかったので。家族と一緒に過ごして。別に団らんすることが楽しかったとかそういう訳でなく、一緒にスケートのことを考えて。何よりも家族全員にサポートしてもらったのは、自分がスケートしている中でも財産になるなという風に思いました。後は、そうですね、外出は本当にしていないんですよ。スケート以外に何もしていないので。スケート以外に何もしていないのはちょっと大げさかもしれないですけど。スケート以外に外出は一切していないので。うーん。そうですね。トロントにいるときよりもスケートに集中できているのかなという感じがしています。あと何でしたっけ?あっ、大学。おかげさまで大学卒業できました。論文についても、そうですね、いずれ発表するかもしれないですし、しないかもしれないです。そこはちょっと分からないですけど。とりあえず自分が考えうる限りで研究をし、自分自身の今の先ほど言ったトレーニングに関してもつながっているところはもちろんありますし。何よりルールが分かりやすくなるかなって、しなくはないので。もし自分が今後、とりあえず満足できるくらいの演技をして、現役を退いて、プロになって、指導者になって。って、どんどん進んでいった時に、もしその技術が必要だということであれば、そっちの道も。やっぱりトップの競技者として、切り開く材料になればなという風には思います」


 

【羽生結弦、語る 代表発表会見編】ライバルよりも「このプログラム自体どういう風に進化させていくのか」

フィギュアスケート男子で5年ぶりに全日本選手権を制した羽生結弦(ANA)が27日、世界選手権(21年3月、スウェーデン・ストックホルム)の代表会見に出席した。


 ――代表入りした感想を
 「世界選手権代表に選ばれました、羽生結弦です。今回、世界選手権の代表というのは、やっぱり全日本の王者として行く世界選手権になると思いますので、しっかりと日本代表として、まずは、まあいろんな世の中の情勢ありますけれども、まず日本代表の日本人の1人として、胸を張ってその試合で行動できるようにしていきたいな。その上でいい演技もしっかりとやって、もちろん北京オリンピックに向けての枠も懸かってくると思いますし、全力で自分の役割をまっとうしたいなと思っています」

 ――世界選手権は初めて海外勢と闘う。自分のライバルになりそうな選手、目指す順位は
 「はい、まあ、一緒に闘ってみないと実際分からないというのが正直なところです。もちろん基準も、ある一定のフィギュアスケートのルールっていうのはある程度、基準はありますけれども、実際に闘ってみないとその場の空気感とか、その場のリンク、または点数の出方、もちろん基準がまた違ったりもしているんで。まあ、その場にいないと分からないところは、実際に単純に比較はできないとは思っています。え~、まあ、そういう意味でたぶん全日本っていうのは公認記録になっていないわけですし。で、今回グランプリシリーズ、スケートアメリカとか、まあカナダとかいろいろなくなってしまいましたけれども、でも、それでもう、今回はグランプリシリーズの点数をISUは公認しないと言っているんで。それは単純に比較するものではないと思いますし、僕自身が出したこの318でしたっけ、5でしたっけ、8くらいか、もやっぱ公認であるわけではないので。そこを単純に比較して、自分自身が今、勝っているとか、自分自身がこの順位に立ちたいとか、そういう気持ちは今とりあえずはないです。ただ、もちろん、ネーサン選手の動向はもちろん気になっていますし。ただ、僕自身がやること、僕自身がレベルアップしていきたいことはそれだけじゃなくて、やっぱり4回転アクセルだったりとか、そもそも、このプログラム自体をどういう風に進化させていくのか、深めていくのかということが大切なんで、まずはそこが一番大事かなと思っています」

 ――初出場の鍵山へのアドバイスは
 「はい。さっきあの、気になる選手いますかとか、どういう風な順位目指したいですかって質問されていた時に、すごいなんか(鍵山が)自分の気持ちに嘘つこうとしていたんで。(鍵山の方を振り返り)そういうことはいらないよって。僕はやっぱり、彼の強さはその負けん気の強さだったり、向上心だったり、勢いだと思っているんで。もちろん、それだけでは勝てないかもしれないけど、だけど、そこが今の一番の武器なんで。そこは大事に大事に。僕が世界選手権初めて出て、銅メダル取れた時はもちろん、自分にとってものすごく大きな分岐点でもあった。年と、もう、そのシーズン自体がすごく大きな分岐点になったことがあったんですけど。やっぱりあの時の演技は一生、忘れていないですし、あの時のエネルギッシュさとか、あの時にしかできない勢いだったりとか、そういうものであそこの順位に行けたと思っているんですよ。だから(鍵山は)全日本でも優勝したいって言っているくらいなんで、その気持ちは嘘つかないで欲しいし、しっかりその気持ちを胸に頑張って欲しいなって僕は思っています」

 ――まだまだスポーツの大会は先行きの見通しが立っていないが、スポーツが持つ力をどう考えるか、その上で世界選手権ではどのような演技をしたいか?
 「もちろん今回まあ、全競技が終わった上でやはり、全選手できる限りの感染対策をし、あの、もちろん、フィギュアスケーターの中では新型コロナにかかってしまって、あの、まあ今ロシアの、えーっとナショナル、全ロシア選手権とかもやっていたりしますけれども、その中でやっぱり苦しんでしまって出られなかった方とか、逆にそれから復活して頑張っている子とか、もちろんいろいろいると思うんですね。ただ、僕らアスリートとしては、やっぱり後遺症っていうのがある限りは、感染してはいけないと思いますし、それを広げる若い世代にもなってはいけないと思うんです。それは僕たちの責任だとすごく思っています。なので、僕たちアスリートがまずは感染しない、それがなによりも一番だと。で、今回僕は全日本を、まあ僕がその立場かは分からないですけど、総括して考えてみた時に、選手たち一人一人がもちろんキスアンドクライですぐにマスクをつけて頑張って感染防止をしている選手たちもいましたし、そういう姿を見て、これからも頑張って自分自身も気を付けていこうとか、今回会場に来て下さった方々も含めて、ずっと感染防止に努めてくださっている方が非常に多く見られたっていうのが何よりも良かったと思います。あの、もちろん、イベント開催ということに関しては、競技会も含めてですけど、やっぱりフィギュアスケートってエンターテイメントな部分がかなり大きいと思っているので。そういうことに関しては感染拡大のリスクは、やっぱりあるとは思うんです、ただ、これを見た時に、これをきっかけに、これからさらに感染が拡大しないように気を付けようっていう風に思ってくださる方がたくさんいらっしゃったのが、僕は本当にあの、全日本選手権、全日本フィギュアスケート選手権っていうものが開催されてよかったなと思うのと同時に、これから世界選手権がどうなるか分かりませんけれども、僕らこのメンバーでしっかりとその姿を、世界にも、日本にも見せていかなきゃいけないんだなっていう風に思っています」
 


 

 



      ⭐⭐⭐⭐⭐⭐


今回の試合後、スケートファンじゃない方々からも羽生くんへの称賛の声が相次いでいました。


演技内容も素晴らしいものでしたが、その影で羽生くんがとても苦しんでいた事を明かしたのもみんなの心に響いたと思います。


羽生くんは、「誰かの心に何かの感情が灯るきっかけになれば」と話していました。


あの羽生選手が、こんなにも苦しさを経験していた。そして、そこから這い上がってこんなにも素晴らしい成果を上げているというのは、たくさんの人の心を鼓舞し、勇気と励ましをくれたと思います。





最後の会見の鍵山選手に対するアドバイス。

この記事にはないので他の記事から捕捉すると、

記者会見の冒頭、鍵山選手は「正直、今のところ、すごく不安でしかなくて。日本代表として足を引っ張らないようしたい」と初々しく語ったとのことです。


追記 動画を見つけたので書き起こしました(動画12分ごろ)

鍵山 「僕は、シニアになって初めての海外試合が世界選手権っていう凄い、想像もしてなかったんですけど、今すっごく怖いっていうか不安な気持ちがたくさんあって。やっぱり世界選手権に出るという事は、世界のトップの選手たちとも闘っていかなくちゃいけないという事なので、まだ僕はぜんぜん下の方で、本当に手の、皆さんは本当に手の届かないようなところにいるんですけれど、んー、まあ、それでも、んー、まあ日本代表としていい演技が出来たらいいなって・・」

そこで羽生くんから声がかかります。
 

羽生「いい。自分の意見ちゃんと言って。遠慮しなくていい。周りのことも考えなくていい」
 
羽生くんの言葉を聞いて発言を修正する鍵山選手。


鍵山「まあ、出るからには上を目指して頑張っていきたいと思います」

肩を震わせて笑う羽生くんww

(追記 ここまで)


鍵山選手の強気な発言って、昔の羽生くんにとてもよく似てるんです。

羽生くんは鍵山選手の気持ちがよく分かるんじゃないかな。

それなのに、鍵山選手、今回は思うところあったのか急に自制する発言。


言葉を発すると、自分の耳が、脳がそれを聞いていて影響されるそうです。

ネガティブな発言をしていると本当にそっちへ引っ張られてしまう。

だからこそ、羽生くんは昔からあえて自分に言い聞かせるように強気な発言をしていました。

鍵山選手にも若い強気な勢いを今は押さえる時期じゃないんだ、と。これは凄いエール貰ったって思います。


羽生・宇野を倒して優勝するつもりで行け!ってことですね。

く~!

やっぱり男の中の男!!照れ





 ◆お写真はありがたくお借りしました。