今回の「ファンタジー・オン・アイス」で羽生選手が伝えたかったことは何ですか?
”オリンピックの感動を追体験してほしかった”
今回は、出演アーティストのなかでは、オリンピックのプログラムを演じてくれた方が多かったと思います。観客の皆さんが目の前でその演技を見たとき、自分の中にあるオリンピックの記憶や背景をフラッシュバックして感動してほしい。オリンピック後だからこそ感じられるものを味わってほしい。「ファンタジー・オン・アイス」全体としては、そんなふうに思っていました。
僕自身は、コラボレーションさせていただいたので、今の自分が皆さんに伝えたい気持ちを押し付けるわけではなく、感じてもらえるようなプログラムにしたいと思っていました。歌詞があるものだったので、よりストレートに自分が伝えたい気持ちが届きやすかったのではないかと思います。「言葉の翼」というものを感じながら、もっともっと前に進んで行こうという気持ちを込めました。

今回のショーでは羽生選手のヒーローが勢揃いしました。どんな気持ちで滑っていましたか?
”自分が憧れている非現実の世界の中にいる感じがした”
自分が憧れている非現実的な世界の中に飛び込んでいった感じでした。そして、その一員として頑張れていることを実感できた瞬間でもありました。 出演者のみなさんが「これはあなたのショーだから」と僕のことをすごくリスペクトしてくださったり、「素晴らしいショーを作ってくれてありがとう」とか「ショーに呼んでくれてありがとう」という言葉もかけてくださいました。だからこそ、自分はこのショーの中の一員ではあるけれど、しっかりと「ファンタジー・オン・アイス」をまとめきらなければという使命感をもって滑っていました。 ただ、僕のショーではないことはすごく感じていました。自分がすべてというわけではなく、出演アーティストのみなさんがいて、見てくださる観客のみなさんがいて、僕たちはこうやって集まってこのショーができている。この場所にいるみなさんに、しあわせになってもらいたい。そんなことを考えながら滑っていました。

来てくださった方と、これからのショーに来てくださる方にメッセージをお願いします。
来てくださった方々にはいろんなものが伝わったと思うので、みなさんの中の気持ちや記憶を大事にしていただきたいなと思います。 このようなショーを観て心が動かされているときは、たとえば、過去の体験や記憶、今感じていることや、未来への思いなど、何かしら自分の心の中にあるものとシンクロして、いろんな感情が芽生えたりすると思うんです。そういった体験は、非日常で、とても素敵な体験だと思います。また日常に戻ったとき、このショーの記憶や感覚が、活力になればいいなってすごく思います。
