
トロントで練習公開の羽生が語る7
「4分になって実はきつい…忙しいんですよ」
―新ルールになり、得点がリセットされるが、新方式でも記録を狙う?
「とくにはないです。はい。もうあのー、自分としては、やっぱりあのー、3つのプログラム「SEIMEI」「バラード第1番」そして「Hope & Legacy」が、あのー、記録として残ったということはすごく、正直言ってびっくりしましたし(笑い)。あとは正直言ってすごくうれしいなという気持ちもあったので。まああとは、若い世代が、若い世代っていっても自分と3つくらいしか違わないんですけど(笑い)。まあその世代が、あのー、新しいルールのなかでどういうふうに戦っていくのかはある意味楽しみでもありますし、自分は自分で、もうあの記録たちとは戦えないですけど、自分は自分で楽しみながらやりたいなと思います」
―新しいルールについて、オーサーコーチは他の選手にとっては大変だが、羽生選手は問題ないと言っていたが?
「僕はとくに…ルールに関して有利とか不利とか感じたことないですね。とにかく、ルールっていうのは、やっぱり、それにのっとって、勝ち負けが決まって、それにのっとって、ある意味、それが基準になって自分たちがうまくなったりしていかなきゃならない指標みたいなものなので。別にルールがどうのこうのっていうよりも、自分がその、さっきいった指標にあわせて、基準にあわせて強くなって行ければなと思います。ただ、なんか、一つだけ言わせてもらうと、僕ら4分半だったのが4分に変わってっていうのは、たぶん見た感じ、4分になって楽になったんじゃないかって、ジャンプ1本減ったしって、思うかもしれないんですけど、実は4分の方がきついっていう(笑い)。っていうのは最近感じています。忙しいんですよ。30秒なくなって。ジャンプ1本ってだいたいまあ20秒くらい使うか使わないかくらいで跳べますし、トリプルに関してはぼくたちはもう10秒くらいで助走含めてランデイングまで10秒くらいで跳べるので。そうすると20秒けずられることになるんですね。その分いそがしくなりますし、まあ勉強しながら、研究しながらプログラムを作らなきゃなと思っていました」
―昨季までは勝負にこだわってきた。先ほど、勝負に固執しすぎずにと言っていたが、それによっての新しい発見は?
「まあでも、あのー、勝負、結果にこだわってきたのは、やっぱり、それがある意味夢だったからっていうのがあって、先シーズンはとくに、最終的に、自分の気持ちすらも抑えてやらなくてはいけない、そして自分の気持ちを抑えたうえで、最善の演技を実行しなくてはならないというすごく難しい状況で最終的にはできたんですけど。なんか、今はそのー、また違った夢を追いかけている状態なので、なんか、ある意味、そんなに気持ちは変わっていないです。っていうのが本音です。ただ、結果に向かって楽しむか、自分の夢である4回転アクセルに向かって楽しんでいるかの違いかなって思います。なんか、どっちにしろ期限までには跳ばなくてはならないというプレッシャーは感じてはいますし、あの頃はこの試合で勝たなくてはいけないという緊張感、プレッシャーを非常に感じながら毎日練習していたので。そのプレッシャーの大きさがちょっと変わったかなくらいですね。はい」
トロントで練習公開の羽生が語る8
「今アクセル跳びたいという気持ちが非常に強い」
―五輪前はスケートがすべてだと言っていた。今も?
「そうですね。やっぱり競技者なので。そこは変わっていないかな。ただ、あのー、まあソチオリンピック終わった時もそうだったんですけど、やっぱり、みなさんがすごく応援してくださっている気持ちとか、見てくださっている気持ちとか、あのー、そういったものは一つ一つ感じながらアイスショーを終えて、今この状態に、この、クリケットで練習している状態なので。やはり、みなさんの力っていうのはすごいなって思いますし。やっぱりそれも込みで、自分のなんだろう、さっきからずっと楽しい楽しいって言ってますけど、そのー、それも込みで、競技者として楽しみたいなっていう感覚があります」
―自身が競技者としての終盤にさしかかったという気持ちはある?
「あります(即答)。それはあります。ただ、あのお、いつやめるとか、そういうのは全然考えていなくて。あのー、まあ、とりあえず、今アクセル跳びたいという気持ちが非常に強く。あのー、とりあえず、アクセルまではなんとかしたいなって思っています。はい」
―アクセルを跳んだらやめてしまう?
「アハハハ。うーん…それはもう、跳んでみないとわからないかなとは思います。ただ、とにかくまずは練習でしっかり降りること、で、あのー、自分のなかでの降りたっていう前提が、やはりGOEで加点をもらえるくらいのものではないといけないですし、やはり最終的に、いろんな方々がみて、いや、これ回転不足だろうって言われるような、指さされるようなジャンプでは絶対いけないとは思うので。自分が目指す最高のアクセルを目指して練習したいなとは思います」
―高橋大輔選手が復帰。
「僕の9つ上で、世代としては。なんか、本当にある意味、自分にとってはただひたすら憧れていた存在であって。また彼の競技者としての、やっぱり競技とアイスショーって全然違うっていうのはすごく自分も感じているので。その競技の張りつめた緊張感のなかでの、演技っていうのはすごく楽しみですし。あとは、一緒に滑る機会がもしかしがら全日本とかであるかもしれないので、楽しみです」
☆☆☆☆☆☆
プルシェンコさんは、新ルールについてこう話しています。
2018/04/26
https://www.sports.ru/figure-skating/1062617475.html
二度のオリンピックチャンピオン、エヴゲーニー・プリューシェンコは、フィギュアスケートルールの予想される変更について意見を述べた。
「ルール変更に関しては、全てが明らかになる5月を待って、見なければならない。今、それらは揺れている:プラス5、マイナス5、音楽の50秒短縮。これらは正しくない。
もしフィギュアスケートの技術が進歩しているとすれば — これは四回転ジャンプに関してだが — 、私なら時間を増やし、4分40秒の代わりに5分にするだろう。
この判定システムは、何のためにもならないと私は感じる。この新ルールによってわれわれは再び10~20年後退し、手を美しく動かし始めるだろう。
私と私のマネージャーは、この件でISUへの手紙を準備している。アスリートたちが四回転ジャンプを跳ぶ時、彼らには回復と休息のためのより多くの時間が必要だ。さらには興味深い表象やイメージも披露しなければならない。今回のそれは、フィギュアスケートを殺すことに他ならない」。プリューシェンコはこのように語った。
国際スケート連盟(ISU)は6月の総会で、ルール変更導入に関して審議する。エレメンツの評価におけるGOE幅の拡大、一つのプログラム内で同じ種類の四回転ジャンプの使用は1回だけ認める、ペアと男子シングルのフリープログラムの長さを短縮、プログラム後半でのジャンプエレメンツへのボーナスを減らすことなどが提案されている。
文:マリーヤ・セレンコワ / 出典:championat

