前記事でも取り上げました、「クワドラプル」リニューアルのニュースです
記事を読むと、本当に愛されていた雑誌なのだなあと思いました。
「完成した時は目頭が熱くなった」との編集者、村尾さんの言葉は感動的です
「羽生選手のように」再出発の専門誌「クワドラプル」
浅野有美
https://www.asahi.com/articles/ASL6F7S9QL6FUTQP02S.html
朝日新聞デジタル 2018年6月16日15時13分

左から「カッティングエッジ」、「クワドラプル」、「クワドラプル アクセル」

出版社を変えて、再出発する「クワドラプル アクセル」
フィギュアスケート関連本の先駆けながら、経営が行き詰まり、発行できなくなった専門誌が今月、出版社を変えて再出発した。スタートから携わる編集者の村尾竜哉さんは、「完成したときは目頭が熱くなった。全力を尽くした一冊」と話す。
新たな雑誌名は4回転半を意味する「クワドラプル アクセル」(山と渓谷社)。前身のスキージャーナル社時代に出版していた「クワドラプル」に半回転を加えた。平昌(ピョンチャン)五輪で金メダルを獲得し、現在は右足首のけがから復帰を目指す羽生結弦(ANA)が、「4回転アクセルに挑戦したい」と宣言した姿に、村尾さんは再出発の思いを重ねる。
スキーや剣道の雑誌を発行していたスキージャーナル社は、フィギュア本が少なかった2008年、「カッティングエッジ」を発刊。浅田真央さんや安藤美姫さんら、女子が活躍していた時代に、男子に光を当てた。その後、「クワドラプル」にリニューアルし、発行を続けてきた。
トップ選手だけでなく、次世代を含めて、できるだけ多くの選手を紹介する編集方針で好評だった。毎日のように読者からはがきが届き、掲載を励みにしている選手もいた。
だが、出版不況の中、フィギュアでは羽生人気で新規参入する出版社が次々と登場。羽生を中心に扱う本が売れる傾向が強くなった。
同社が発行していた他の雑誌の売り上げが厳しく、資金繰りが悪化。昨年12月、出版予定の本の支払いができず製本段階でストップ。一時的に従業員らが肩代わりし、なんとか発行までこぎつけるという状況だった。
その後、同社が他の雑誌の休刊を発表すると、ファンから問い合わせが殺到。「『クワドラプル』はどうなるんですか」「続けてください」。手書きのFAXでメッセージを送ってくれる読者もいた。
「選手のために、ファンのために続けなければ」。そう決心した村尾さんは、発行してくれる出版社を探した。仕事を一緒にしてきたライターやカメラマンも、支払いが滞る中、「自分のことは気にしないで発行を続けてほしい」と背中を押してくれたという。
同社のツイートは、本の継続を心配する投稿であふれていた。それを目にしたのが、山と渓谷社の経営陣たちだった。雑誌編集部の久田一樹さんは、「こんなに熱心なファンがいるスポーツがあるのか。出版業界が厳しい中だからこそ、新しいチャレンジをしたい」。社内の賛同を得て、同社で新たに発行が決まった。
「この雑誌でないと、取り上げられない選手がいる。幅広く選手を取り上げる方針があったから、羽生選手もジュニアの頃から掲載することができた。それが僕たちの存在意義です」と村尾さん。「羽生選手のように高みを目指したい」と意欲的だ。(浅野有美)
☆☆☆☆☆☆
ファンになった2012年は、「Cutting Edge 」「Days 」、そして「World figure skating 」ぐらいしかフィギュアスケート雑誌ってなかったと思います。
その頃、1冊2000円近くする雑誌の羽生くんのページはわずか数ページで、よくよく見比べて買った1冊を大切に読んでいたものです。
若い頃の羽生くんの素顔がよく表れたインタビューは今と比べるとざっくばらんで微笑ましい部分も多く、これからトップを目指していた勢いも眩しく、そして今では知り得ない情報も楽しみで、昔買えなかった古い雑誌を買い集めている私です。
村尾さんの言葉にあるように、「Cutting Edge 」が幅広い選手を取り上げる方針があったから、今、羽生くんのジュニア時代やシニア1年目の様子を知ることが出来ます。
それは今読むと物凄く面白いんです。
その頃、羽生選手自身もきっと掲載される事を楽しみにしていたでしょう。
新しく参入した雑誌は羽生ファンにとって、70ページ100ページと羽生選手の記事が多くて、コスパがいいね、嬉しいって思いがちです。
でも古い「Cutting Edge 」を手にすると、その時代のフィギュアスケートがどんな状況だったのか幅広く濃くよく分かるのです。選手同士のお互いをどう思っているかという言葉から知ることに新しい羽生選手像が見えたりします。
資料的な意味で、そういう雑誌は時がたってもその価値を失いません。
そんな雑誌の1つである「クワドラプル」が、ファンと、そして編集者の熱意で継続された事は本当に素晴らしい「コンティニュー」な事です。
フィギュアスケートのために、フィギュアスケートの未来のために、「クワドラプル」が末永く続きますように。
◆お写真はサイトよりお借りしました。ありがとうございました。

記事を読むと、本当に愛されていた雑誌なのだなあと思いました。
「完成した時は目頭が熱くなった」との編集者、村尾さんの言葉は感動的です

「羽生選手のように」再出発の専門誌「クワドラプル」
浅野有美
https://www.asahi.com/articles/ASL6F7S9QL6FUTQP02S.html
朝日新聞デジタル 2018年6月16日15時13分

左から「カッティングエッジ」、「クワドラプル」、「クワドラプル アクセル」

出版社を変えて、再出発する「クワドラプル アクセル」
フィギュアスケート関連本の先駆けながら、経営が行き詰まり、発行できなくなった専門誌が今月、出版社を変えて再出発した。スタートから携わる編集者の村尾竜哉さんは、「完成したときは目頭が熱くなった。全力を尽くした一冊」と話す。
新たな雑誌名は4回転半を意味する「クワドラプル アクセル」(山と渓谷社)。前身のスキージャーナル社時代に出版していた「クワドラプル」に半回転を加えた。平昌(ピョンチャン)五輪で金メダルを獲得し、現在は右足首のけがから復帰を目指す羽生結弦(ANA)が、「4回転アクセルに挑戦したい」と宣言した姿に、村尾さんは再出発の思いを重ねる。
スキーや剣道の雑誌を発行していたスキージャーナル社は、フィギュア本が少なかった2008年、「カッティングエッジ」を発刊。浅田真央さんや安藤美姫さんら、女子が活躍していた時代に、男子に光を当てた。その後、「クワドラプル」にリニューアルし、発行を続けてきた。
トップ選手だけでなく、次世代を含めて、できるだけ多くの選手を紹介する編集方針で好評だった。毎日のように読者からはがきが届き、掲載を励みにしている選手もいた。
だが、出版不況の中、フィギュアでは羽生人気で新規参入する出版社が次々と登場。羽生を中心に扱う本が売れる傾向が強くなった。
同社が発行していた他の雑誌の売り上げが厳しく、資金繰りが悪化。昨年12月、出版予定の本の支払いができず製本段階でストップ。一時的に従業員らが肩代わりし、なんとか発行までこぎつけるという状況だった。
その後、同社が他の雑誌の休刊を発表すると、ファンから問い合わせが殺到。「『クワドラプル』はどうなるんですか」「続けてください」。手書きのFAXでメッセージを送ってくれる読者もいた。
「選手のために、ファンのために続けなければ」。そう決心した村尾さんは、発行してくれる出版社を探した。仕事を一緒にしてきたライターやカメラマンも、支払いが滞る中、「自分のことは気にしないで発行を続けてほしい」と背中を押してくれたという。
同社のツイートは、本の継続を心配する投稿であふれていた。それを目にしたのが、山と渓谷社の経営陣たちだった。雑誌編集部の久田一樹さんは、「こんなに熱心なファンがいるスポーツがあるのか。出版業界が厳しい中だからこそ、新しいチャレンジをしたい」。社内の賛同を得て、同社で新たに発行が決まった。
「この雑誌でないと、取り上げられない選手がいる。幅広く選手を取り上げる方針があったから、羽生選手もジュニアの頃から掲載することができた。それが僕たちの存在意義です」と村尾さん。「羽生選手のように高みを目指したい」と意欲的だ。(浅野有美)
☆☆☆☆☆☆
ファンになった2012年は、「Cutting Edge 」「Days 」、そして「World figure skating 」ぐらいしかフィギュアスケート雑誌ってなかったと思います。
その頃、1冊2000円近くする雑誌の羽生くんのページはわずか数ページで、よくよく見比べて買った1冊を大切に読んでいたものです。
若い頃の羽生くんの素顔がよく表れたインタビューは今と比べるとざっくばらんで微笑ましい部分も多く、これからトップを目指していた勢いも眩しく、そして今では知り得ない情報も楽しみで、昔買えなかった古い雑誌を買い集めている私です。
村尾さんの言葉にあるように、「Cutting Edge 」が幅広い選手を取り上げる方針があったから、今、羽生くんのジュニア時代やシニア1年目の様子を知ることが出来ます。
それは今読むと物凄く面白いんです。
その頃、羽生選手自身もきっと掲載される事を楽しみにしていたでしょう。
新しく参入した雑誌は羽生ファンにとって、70ページ100ページと羽生選手の記事が多くて、コスパがいいね、嬉しいって思いがちです。
でも古い「Cutting Edge 」を手にすると、その時代のフィギュアスケートがどんな状況だったのか幅広く濃くよく分かるのです。選手同士のお互いをどう思っているかという言葉から知ることに新しい羽生選手像が見えたりします。
資料的な意味で、そういう雑誌は時がたってもその価値を失いません。
そんな雑誌の1つである「クワドラプル」が、ファンと、そして編集者の熱意で継続された事は本当に素晴らしい「コンティニュー」な事です。
フィギュアスケートのために、フィギュアスケートの未来のために、「クワドラプル」が末永く続きますように。
◆お写真はサイトよりお借りしました。ありがとうございました。