平昌五輪の撮影で使われる「タイムスライス」。
60台のカメラで360度ぐるりと撮る事で、あらゆる角度から見る事が出来る技術です。
韓国のニュースには、羽生くんが登場していました
https://mobile.twitter.com/i/web/status/942730156539502594

(韓国語字幕)
映画 マトリックスのように360度で楽しめる



※ニュースの内容(みんみん翻訳
)
フィギュアスケートスターの羽生結弦が、氷盤で跳び上がる瞬間。
時間が止まったかのようにカメラの角度が変わって表情が現れます。
アイスホッケーのゴールでも細かい部分まで把握出来ます。
お望みの瞬間を選んで、お望みの角度で視聴出来る「タイムスライス」技術です。
■韓国記事
http://s.japanese.joins.com/article/082/212082.html
KT 「平昌五輪を360度の映像で鑑賞してください」
2018年平昌オリンピックの主要競技は、360度の映像で視聴者の思い通りの角度で観覧できるようになる。
平昌五輪の主管通信社であるKT が公開した技術の1つ「タイムスライス」。
頻発する判定抗議を減らせるかにも注目が集まっている。「タイムスライス」はカメラ60台余りを競技場に設置して選手の動きに沿って撮影する技術だ。すぐに巻き戻して見たり、さまざまな視点から撮影された映像が確保・確認できたりするため判定の根拠が増える。ショートトラックやフィギュアスケートに適用される見込みだ。
アンダーローテーション(回転不足)
エッジエラー(踏切がアウトエッジで跳ぶ規定➡インエッジになるなど)
プレローテーション(跳び上がる前から回転が始まっていること)
などが、選手によって(審判によって)は厳しく取られたり、見逃されたり。
上の3つはいずれも角度で分かるので、機械判定を導入してハッキリと数値で解決される話だと思います。
不可解な点数の高い低いがあったり、また、選手がルール違反を知りながらも規定に外れたジャンプを行い、僅かな減点ですまそうという演技が見られることも。
これらは海外では誰がどのような事を行っているか名指しされて批判されていますし、検証もされ動画で比較されています。
フィギュアスケートの点数ってよく分からないってずっと言われています。審判の裁量で判定が変わるフィギュアスケートの点数の不明瞭さを、解決して欲しいです。
さて、最近問題になってた朝日新聞の記事。
散々取り上げられてると思いますが、貼っておきます。
こんな風にメディアを通しておかしな事が広められるのなら、
ここからファンとしても言っておきたい事を書きたいと思います


中京大学の湯浅景元教授によると、
羽生選手の最大跳躍高は48センチなんだそうです
(比較してるのが中京大学の選手なところがあれよ)
え、たった
https://twitter.com/verona_pro_sec/status/953767756721246209

上の写真拡大⬇


⬆まだ跳んでいない羽生選手の腰くらいの高さに、頂点に達した羽生選手の靴のブレードがあります。
羽生選手の身長は172センチ。
腰の高さがたった48センチですか?
この検証では、跳躍の高さは69センチとなっています。
羽生選手の身長を170センチとして計算してるので、もう少し高さがあるかもしれません。

全くデータが信用出来ない
上の記事には、かなり抗議が行っているようですが、
さらに新たな呆れた記事が出てるんですね。
⬇
サンケイスポーツの記事
「賛否両論」と題して4回転ルッツを入れるかどうかについて、中京大学の湯浅教授と、元フィギュアスケーターの佐野稔さんの二人が意見を書いています。
◇湯浅教授、王者なら構成落とすな
連覇を狙う羽生にとって、ライバルが追いつけないような演技をするのが役目になる。厳しいことを言うが、演技構成のレベルを落として勝とうというのは王者らしくない。4回転ジャンプは減らしてほしくない。
負傷からの復帰戦になる。回復の度合いによってできない技もあるだろう。だが、五輪に出場するからには全力で臨む責任がある。「オレに勝ってみろ」という心構えで、追う者の前に立ちはだかってもらいたい。
私は、2004年アテネ五輪の陸上男子ハンマー投げで金メダルを獲得した室伏広治(現20年東京五輪・パラリンピック組織委員会スポーツディレクター)の指導に携わった。彼は、かつて20連覇を飾った16年の日本選手権で12位に沈み引退を表明した。確かに衰えはあったが、晩年のトレーニングも全力だった。手を抜くようなことは絶対にしない。だからこそ、室伏に勝った者の喜びはひとしおだったはずだ。
仙台市出身の羽生は東日本大震災を乗り越えて努力を積み重ねてきた。彼は演技が終わると苦しい顔を見せる。死力を尽くしたのだと自然と分かる。かつてジャンプの分析を担当した10年バンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央(17年に現役引退)は、演技後も笑顔を貫いたが、あれが一番つらかったと言っていた。体力の激しい消耗と戦いながら優雅な舞いを競うのが「アートスポーツ」の魅力の一つなのだ。
選手によくかける言葉がある。「相手に勝とうと思うな。失敗をするな」。それがフィギュアで勝つ秘訣(ひけつ)。理屈だけを語れば、他の選手が失敗し、自分がミスをしなければ勝てる。羽生にとって、極力4回転を回避するのも選択肢なのかもしれないが、王者としてできる限りの演技を追求してもらいたい。(中京大教授)
手を抜くなとか、王者らしい演技をしろとか
誰に言ってるのか、と思います。
釈迦に説法という言葉が浮かびました(ー_ー;)
羽生選手が闘っている相手というのは、「自分自身」。
必要ではないとコーチに言われても、
自身の向上のために最高難度の技に挑戦してきた人です。
壁の先の壁を、何度も何度も越えてきた人です。
全力で挑まない試合なんて、1度もありませんでした!
4回転ルッツは、羽生くんは絶対的に勝つなら今シーズン入れたいと考えたジャンプでした。
でも、まだロシア杯の1回しか入れていないジャンプです。
11月にケガをして、遅くても1月の半ばには練習を開始しなければ、フリーを滑り抜く体力が得られないと織田くんが言っていました。
1月の第2週目から氷に乗って練習を開始していて、本人によると「オリンピックに間に合う」という事ですが、余裕があるというスケジュールでもありません。
そんな今、「4回転ルッツを減らすな、レベルを落として勝とうというのは、王者らしくない」などと、何故そんな事が言えるのか。
しかも、宇野選手が所属する中京大学の教授の立場で。
現在の多種4回転時代の中で、4回転クワドを数多く跳ぶ事で勝とうという状況があるのは事実で、羽生選手が4回転ルッツに挑戦しようとした理由もそういう事が1つにはあります。
でも、「王者らしい演技」というのは4回転を人よりも多く入れて圧倒的に勝つという事とは違うと思います。
羽生選手が、ずっとずっと昔から言い続けてきたのは、ジャンプもスピンもステップもスケーティングも全部が1つになって音楽と一体になって、プログラムが1つの作品になる、そういう演技がしたいという事です。
記録にも残したいけど、記憶に残る演技がしたいとそう望んでいます。
ソチで、羽生くんが優勝してもあんなに悔しがっていたのは、サルコーだけじゃなく、3回転フリップを失敗し、ソチで、オリンピックではこういう演技がしたいという自分自身の理想の演技と離れた結果になってしまったからでしょう。
王者らしい演技と言って思い浮かぶのは、2015年のグランプリファイナルの演技です。
ショートもフリーも完璧に滑り上げ、330点という未だに破られない完璧な演技をした、あの日、2つの瑕疵のない完全な環が見えたようでした。
何処にも傷のない水晶のような演技こそ、羽生結弦という王者に相応しい演技です。
羽生選手が、平昌五輪で目指しているのは「最高の羽生結弦」。
2015年は、4回転トウループと4回転サルコーでそこに技を尽くして出来上がった演技でした。
4回転ルッツを入れて、その他の部分がガタガタになってしまうくらいなら入れないほうがいい。
4回転ルッツを減らす事があるならば、そうする事で全体のレベルを上げる事が出来るからでしょう。
すでに、オータムクラシックのショートで4回転ループを4回転サルコーに変えてショートの世界最高記録を更新しています。
羽生選手にとって、技のレベルを下げても出来上がったのは記録を更新する完成度の高い演技であった事に誇りを感じます。
湯浅教授が書いたような易きに流れたような闘いになろうはずがありません。
4回転ルッツを入れてくるなら、羽生選手が出来ると判断したのだと受け取ります。
羽生選手が目指している「最高の羽生結弦」、それが平昌五輪の地で成せる事を心から祈っています。
以下は記事の続きの部分。
佐野さんは、4回転ルッツは必要ではないとして、その理由も書いておられます。
◇佐野実氏、ジャンプの種類より質の追求を
羽生に4回転ルッツは必要ない。2015年のグランプリ(GP)ファイナルで、ショートプログラム(SP)とフリーの合計で世界歴代最高の330・43点をたたき出した。その際、フリーで跳んだ4回転ジャンプはサルコーとトーループの2種類3本。一方で今季は4種類5本を模索し、新たに習得した高難度のルッツがけがへとつながった。
前人未到の高得点をマークした3年前より跳べるジャンプは増えていても、得点は塗り替えられていない。今季のフリー使用曲は世界歴代最高を出したときと同じ和風プログラムの「SEIMEI」。ジャンプの質を追求すれば、4回転はサルコーとトーループの2種類でも当時を上回る可能性はある。
しかし、その構成で羽生の五輪連覇が安泰かといえば決してそうではない。1月の全米選手権を制して平昌切符を得たライバルのネーサン・チェン(18)は大台の300点超えとなる315・23点をマーク。5種類の4回転ジャンプを跳ぶ難敵だ。羽生が勝つにはサルコーとトーループの2種類では不安が残る。右足首の回復具合にもよるが、ループも入れたいところ。フリーでは4、5本の4回転が必要になるだろう。
羽生の直近の実戦である昨年10月のロシア杯のフリーでは、基礎点が1・1倍の演技後半に3本の4回転ジャンプを跳ぶプランだった。復帰戦となる五輪では後半にジャンプを集めて得点を稼ぐより、成功率を重視すべきだ。
私は現役時代、けがを負って演技の難度を落とした経験がある。1975年の世界選手権(米・コロラドスプリングス)。大会の5日前に3回転ルッツの着氷に失敗し右足首を捻挫した。翌年のインスブルック五輪の出場枠が懸かっていた。足首が曲がらないほどのテーピングを施し、痛み止めを服用して強行出場した。同じ種類の3回転以上のジャンプを組み込むのは2度までに限られる現行のルールがない時代。負担の少ないトーループを何本も跳んだ。
けがのトラウマがあり、3回転ルッツの感覚を取り戻せたのは負傷から10カ月も後だった。だが、その世界選手権で日本男子の代表2枠の確保に貢献できた。難度を下げた選択に後悔はない。
果敢に挑戦する羽生の性格を考えると、演技構成のレベルを落とすのは嫌かもしれない。だが、五輪で勝つためには必要な道。今できる一番の形を探ってほしい。(1976年インスブルック五輪代表)
■湯浅 景元(ゆあさ・かげもと)
1947(昭和22)年4月21日生まれ、70歳。名古屋市出身。中京大卒。東京教育大大学院体育学研究科修士課程修了後、東京医科大で学ぶ。専攻はスポーツ科学、コーチング論、バイオメカニクスなど。陸上男子ハンマー投げの室伏広治やフィギュアスケート男子の小塚崇彦らの指導に携わった。
■佐野 実(さの・みのる) 1955(昭和30)年6月3日生まれ、62歳。山梨県出身。日大卒。76年インスブルック五輪代表。77年世界選手権で日本選手初の表彰台となる銅メダルを獲得。全日本選手権には9度出場し、72年から5連覇。77年に現役引退後は、解説者の傍ら明治神宮外苑のアイススケート場でヘッドコーチを務める。
※佐野さんのお名前は「稔」さんです。
◆お写真はお借りしました。ありがとうございました。
60台のカメラで360度ぐるりと撮る事で、あらゆる角度から見る事が出来る技術です。
韓国のニュースには、羽生くんが登場していました

https://mobile.twitter.com/i/web/status/942730156539502594

(韓国語字幕)
映画 マトリックスのように360度で楽しめる



※ニュースの内容(みんみん翻訳

フィギュアスケートスターの羽生結弦が、氷盤で跳び上がる瞬間。
時間が止まったかのようにカメラの角度が変わって表情が現れます。
アイスホッケーのゴールでも細かい部分まで把握出来ます。
お望みの瞬間を選んで、お望みの角度で視聴出来る「タイムスライス」技術です。
■韓国記事
http://s.japanese.joins.com/article/082/212082.html
KT 「平昌五輪を360度の映像で鑑賞してください」
2018年平昌オリンピックの主要競技は、360度の映像で視聴者の思い通りの角度で観覧できるようになる。
平昌五輪の主管通信社であるKT が公開した技術の1つ「タイムスライス」。
頻発する判定抗議を減らせるかにも注目が集まっている。「タイムスライス」はカメラ60台余りを競技場に設置して選手の動きに沿って撮影する技術だ。すぐに巻き戻して見たり、さまざまな視点から撮影された映像が確保・確認できたりするため判定の根拠が増える。ショートトラックやフィギュアスケートに適用される見込みだ。
アンダーローテーション(回転不足)
エッジエラー(踏切がアウトエッジで跳ぶ規定➡インエッジになるなど)
プレローテーション(跳び上がる前から回転が始まっていること)
などが、選手によって(審判によって)は厳しく取られたり、見逃されたり。
上の3つはいずれも角度で分かるので、機械判定を導入してハッキリと数値で解決される話だと思います。
不可解な点数の高い低いがあったり、また、選手がルール違反を知りながらも規定に外れたジャンプを行い、僅かな減点ですまそうという演技が見られることも。
これらは海外では誰がどのような事を行っているか名指しされて批判されていますし、検証もされ動画で比較されています。
フィギュアスケートの点数ってよく分からないってずっと言われています。審判の裁量で判定が変わるフィギュアスケートの点数の不明瞭さを、解決して欲しいです。
さて、最近問題になってた朝日新聞の記事。
散々取り上げられてると思いますが、貼っておきます。
こんな風にメディアを通しておかしな事が広められるのなら、
ここからファンとしても言っておきたい事を書きたいと思います



中京大学の湯浅景元教授によると、
羽生選手の最大跳躍高は48センチなんだそうです

(比較してるのが中京大学の選手なところがあれよ)
え、たった

https://twitter.com/verona_pro_sec/status/953767756721246209

上の写真拡大⬇


⬆まだ跳んでいない羽生選手の腰くらいの高さに、頂点に達した羽生選手の靴のブレードがあります。
羽生選手の身長は172センチ。
腰の高さがたった48センチですか?
この検証では、跳躍の高さは69センチとなっています。
羽生選手の身長を170センチとして計算してるので、もう少し高さがあるかもしれません。

全くデータが信用出来ない
上の記事には、かなり抗議が行っているようですが、
さらに新たな呆れた記事が出てるんですね。
⬇
サンケイスポーツの記事
「賛否両論」と題して4回転ルッツを入れるかどうかについて、中京大学の湯浅教授と、元フィギュアスケーターの佐野稔さんの二人が意見を書いています。
◇湯浅教授、王者なら構成落とすな
連覇を狙う羽生にとって、ライバルが追いつけないような演技をするのが役目になる。厳しいことを言うが、演技構成のレベルを落として勝とうというのは王者らしくない。4回転ジャンプは減らしてほしくない。
負傷からの復帰戦になる。回復の度合いによってできない技もあるだろう。だが、五輪に出場するからには全力で臨む責任がある。「オレに勝ってみろ」という心構えで、追う者の前に立ちはだかってもらいたい。
私は、2004年アテネ五輪の陸上男子ハンマー投げで金メダルを獲得した室伏広治(現20年東京五輪・パラリンピック組織委員会スポーツディレクター)の指導に携わった。彼は、かつて20連覇を飾った16年の日本選手権で12位に沈み引退を表明した。確かに衰えはあったが、晩年のトレーニングも全力だった。手を抜くようなことは絶対にしない。だからこそ、室伏に勝った者の喜びはひとしおだったはずだ。
仙台市出身の羽生は東日本大震災を乗り越えて努力を積み重ねてきた。彼は演技が終わると苦しい顔を見せる。死力を尽くしたのだと自然と分かる。かつてジャンプの分析を担当した10年バンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央(17年に現役引退)は、演技後も笑顔を貫いたが、あれが一番つらかったと言っていた。体力の激しい消耗と戦いながら優雅な舞いを競うのが「アートスポーツ」の魅力の一つなのだ。
選手によくかける言葉がある。「相手に勝とうと思うな。失敗をするな」。それがフィギュアで勝つ秘訣(ひけつ)。理屈だけを語れば、他の選手が失敗し、自分がミスをしなければ勝てる。羽生にとって、極力4回転を回避するのも選択肢なのかもしれないが、王者としてできる限りの演技を追求してもらいたい。(中京大教授)
手を抜くなとか、王者らしい演技をしろとか
誰に言ってるのか、と思います。
釈迦に説法という言葉が浮かびました(ー_ー;)
羽生選手が闘っている相手というのは、「自分自身」。
必要ではないとコーチに言われても、
自身の向上のために最高難度の技に挑戦してきた人です。
壁の先の壁を、何度も何度も越えてきた人です。
全力で挑まない試合なんて、1度もありませんでした!
4回転ルッツは、羽生くんは絶対的に勝つなら今シーズン入れたいと考えたジャンプでした。
でも、まだロシア杯の1回しか入れていないジャンプです。
11月にケガをして、遅くても1月の半ばには練習を開始しなければ、フリーを滑り抜く体力が得られないと織田くんが言っていました。
1月の第2週目から氷に乗って練習を開始していて、本人によると「オリンピックに間に合う」という事ですが、余裕があるというスケジュールでもありません。
そんな今、「4回転ルッツを減らすな、レベルを落として勝とうというのは、王者らしくない」などと、何故そんな事が言えるのか。
しかも、宇野選手が所属する中京大学の教授の立場で。
現在の多種4回転時代の中で、4回転クワドを数多く跳ぶ事で勝とうという状況があるのは事実で、羽生選手が4回転ルッツに挑戦しようとした理由もそういう事が1つにはあります。
でも、「王者らしい演技」というのは4回転を人よりも多く入れて圧倒的に勝つという事とは違うと思います。
羽生選手が、ずっとずっと昔から言い続けてきたのは、ジャンプもスピンもステップもスケーティングも全部が1つになって音楽と一体になって、プログラムが1つの作品になる、そういう演技がしたいという事です。
記録にも残したいけど、記憶に残る演技がしたいとそう望んでいます。
ソチで、羽生くんが優勝してもあんなに悔しがっていたのは、サルコーだけじゃなく、3回転フリップを失敗し、ソチで、オリンピックではこういう演技がしたいという自分自身の理想の演技と離れた結果になってしまったからでしょう。
王者らしい演技と言って思い浮かぶのは、2015年のグランプリファイナルの演技です。
ショートもフリーも完璧に滑り上げ、330点という未だに破られない完璧な演技をした、あの日、2つの瑕疵のない完全な環が見えたようでした。
何処にも傷のない水晶のような演技こそ、羽生結弦という王者に相応しい演技です。
羽生選手が、平昌五輪で目指しているのは「最高の羽生結弦」。
2015年は、4回転トウループと4回転サルコーでそこに技を尽くして出来上がった演技でした。
4回転ルッツを入れて、その他の部分がガタガタになってしまうくらいなら入れないほうがいい。
4回転ルッツを減らす事があるならば、そうする事で全体のレベルを上げる事が出来るからでしょう。
すでに、オータムクラシックのショートで4回転ループを4回転サルコーに変えてショートの世界最高記録を更新しています。
羽生選手にとって、技のレベルを下げても出来上がったのは記録を更新する完成度の高い演技であった事に誇りを感じます。
湯浅教授が書いたような易きに流れたような闘いになろうはずがありません。
4回転ルッツを入れてくるなら、羽生選手が出来ると判断したのだと受け取ります。
羽生選手が目指している「最高の羽生結弦」、それが平昌五輪の地で成せる事を心から祈っています。
以下は記事の続きの部分。
佐野さんは、4回転ルッツは必要ではないとして、その理由も書いておられます。
◇佐野実氏、ジャンプの種類より質の追求を
羽生に4回転ルッツは必要ない。2015年のグランプリ(GP)ファイナルで、ショートプログラム(SP)とフリーの合計で世界歴代最高の330・43点をたたき出した。その際、フリーで跳んだ4回転ジャンプはサルコーとトーループの2種類3本。一方で今季は4種類5本を模索し、新たに習得した高難度のルッツがけがへとつながった。
前人未到の高得点をマークした3年前より跳べるジャンプは増えていても、得点は塗り替えられていない。今季のフリー使用曲は世界歴代最高を出したときと同じ和風プログラムの「SEIMEI」。ジャンプの質を追求すれば、4回転はサルコーとトーループの2種類でも当時を上回る可能性はある。
しかし、その構成で羽生の五輪連覇が安泰かといえば決してそうではない。1月の全米選手権を制して平昌切符を得たライバルのネーサン・チェン(18)は大台の300点超えとなる315・23点をマーク。5種類の4回転ジャンプを跳ぶ難敵だ。羽生が勝つにはサルコーとトーループの2種類では不安が残る。右足首の回復具合にもよるが、ループも入れたいところ。フリーでは4、5本の4回転が必要になるだろう。
羽生の直近の実戦である昨年10月のロシア杯のフリーでは、基礎点が1・1倍の演技後半に3本の4回転ジャンプを跳ぶプランだった。復帰戦となる五輪では後半にジャンプを集めて得点を稼ぐより、成功率を重視すべきだ。
私は現役時代、けがを負って演技の難度を落とした経験がある。1975年の世界選手権(米・コロラドスプリングス)。大会の5日前に3回転ルッツの着氷に失敗し右足首を捻挫した。翌年のインスブルック五輪の出場枠が懸かっていた。足首が曲がらないほどのテーピングを施し、痛み止めを服用して強行出場した。同じ種類の3回転以上のジャンプを組み込むのは2度までに限られる現行のルールがない時代。負担の少ないトーループを何本も跳んだ。
けがのトラウマがあり、3回転ルッツの感覚を取り戻せたのは負傷から10カ月も後だった。だが、その世界選手権で日本男子の代表2枠の確保に貢献できた。難度を下げた選択に後悔はない。
果敢に挑戦する羽生の性格を考えると、演技構成のレベルを落とすのは嫌かもしれない。だが、五輪で勝つためには必要な道。今できる一番の形を探ってほしい。(1976年インスブルック五輪代表)
■湯浅 景元(ゆあさ・かげもと)
1947(昭和22)年4月21日生まれ、70歳。名古屋市出身。中京大卒。東京教育大大学院体育学研究科修士課程修了後、東京医科大で学ぶ。専攻はスポーツ科学、コーチング論、バイオメカニクスなど。陸上男子ハンマー投げの室伏広治やフィギュアスケート男子の小塚崇彦らの指導に携わった。
■佐野 実(さの・みのる) 1955(昭和30)年6月3日生まれ、62歳。山梨県出身。日大卒。76年インスブルック五輪代表。77年世界選手権で日本選手初の表彰台となる銅メダルを獲得。全日本選手権には9度出場し、72年から5連覇。77年に現役引退後は、解説者の傍ら明治神宮外苑のアイススケート場でヘッドコーチを務める。
※佐野さんのお名前は「稔」さんです。
◆お写真はお借りしました。ありがとうございました。