「東北未来人」4回目です
今回は、シニアで必須となって来ていた4回転ジャンプの練習に必死に取り組んでいるパートです。
「東北未来人」①~③はこちらに➡テーマ テレビ番組
http://www.dailymotion.com/video/x3w4w6x

シニアの4回転。それはプログラムが始まっておよそ20秒後にやって来ます。
大技だけに疲労の大きい後半に設定するのは危険だからです。失敗すれば後の演技にも悪影響を与えかねません。



この時は1日に1回成功するのがやっと。回転不足でほとんどが決まりません。
阿部コーチは、踏み切りの時、右腕を引き寄せる力が弱い事が原因だと感じていました。

コーチ 「寄ってこないんだなあ。腕が寄って来ない。」
右腕の引き寄せが弱いと、遠心力が得られず、十分な回転速度が得られないのです。

更にコーチが指摘したのが体の軸のぶれでした。

ジャンプの時間はわずか0.7秒。その間、軸がどのようにぶれるのかハイスピードカメラで撮影してみました。
まず、成功した場合です。



ジャンプを始めた時の体の軸はそのまま変わることなく一定のまま着氷します。
一方、失敗した場合。



軸の角度が徐々に変化していく事が分かります。このため回転しながら空中でバランスを崩し着氷に失敗。転倒してしまうのです。
助走のスピード、踏み切りの角度。いくつもの要因がピタリと一致した時にだけ成功する究極のジャンプ。


その感覚は跳ぶことでしか掴めません。


一時間に60回以上のジャンプ。ほとんどは失敗に終わりました。

体は限界に来ていました。

スタッフ 足の調子があれですか?

羽生「全然そんな事はないです」
打ち身や切り傷で全身はぼろぼろ。


羽生「まあ多分転けたから。転けなければいい話なんですよ」
強がって見せる羽生選手。

羽生「ちゃんと降りればいいんですけどね。まだ下手だから」

羽生「ちょっとイライラしてたんで。ちょっと自分にイライラしてたんで」

羽生「例えば、「どこどこが曲がってるよ」って、そういう注意をしてくれるじゃないですか。でも、そこだけ伸ばせばいいかって言ったらそうじゃないんですよ」

羽生「だからそこを伸ばすためにも他の部分も何かしなきゃいけないんですよ」

羽生「その何かが分からない」

Q. それを今は探りながらジャンプ跳んでるっていう事ですか?
羽生(うなづく)

羽生「とにかくそれが絶対コツになってくるので」

羽生「とにかくそれをやれば、そこは曲がらないとかそういうのが絶対あるんですよ、どこかに」

羽生「それを探ればいいかなって」

羽生「よし!跳んでやる」
☆☆☆☆☆☆
織田くんによると、アイスショーの時に初めて試したその日に跳べたという羽生くんの4回転ジャンプ。
でも、安定的に跳べるようにはなかなかならなかったんですね。
2010-2011シーズンの頃は、成功するのは50本に1本くらいと羽生くんが言っていました。
それでも、やっぱり試合に強いというか、2011年の4大陸選手権ではフリーでただ一人4回転ジャンプを成功させ、初出場で銀メダルに輝いています。
こんなに幼くてぷっくり頬っぺの羽生くんが、2位だったんです

このパートで、4回転ジャンプを成功させるために、ここだけは押さえないといけないポイントを羽生くんは探っています。
そこがどこにあって、どうすれば良いかが分かれば、どんな状態でも、疲れていても跳べるようになるんでしょうね。
こういう理論的な取り組み、ジュニアの頃から既に話している映像がありますが、感覚を数値や論理に置き換える考え方が、私はすごく好きです。
身体は傷だらけですけれど、負けない精神の強さと聡明さが輝いています!
⑤に続きます。
◆写真は全て、元の動画からスクショしました。ありがとうございました。

今回は、シニアで必須となって来ていた4回転ジャンプの練習に必死に取り組んでいるパートです。
「東北未来人」①~③はこちらに➡テーマ テレビ番組
http://www.dailymotion.com/video/x3w4w6x

シニアの4回転。それはプログラムが始まっておよそ20秒後にやって来ます。
大技だけに疲労の大きい後半に設定するのは危険だからです。失敗すれば後の演技にも悪影響を与えかねません。



この時は1日に1回成功するのがやっと。回転不足でほとんどが決まりません。
阿部コーチは、踏み切りの時、右腕を引き寄せる力が弱い事が原因だと感じていました。

コーチ 「寄ってこないんだなあ。腕が寄って来ない。」
右腕の引き寄せが弱いと、遠心力が得られず、十分な回転速度が得られないのです。

更にコーチが指摘したのが体の軸のぶれでした。

ジャンプの時間はわずか0.7秒。その間、軸がどのようにぶれるのかハイスピードカメラで撮影してみました。
まず、成功した場合です。



ジャンプを始めた時の体の軸はそのまま変わることなく一定のまま着氷します。
一方、失敗した場合。



軸の角度が徐々に変化していく事が分かります。このため回転しながら空中でバランスを崩し着氷に失敗。転倒してしまうのです。
助走のスピード、踏み切りの角度。いくつもの要因がピタリと一致した時にだけ成功する究極のジャンプ。


その感覚は跳ぶことでしか掴めません。


一時間に60回以上のジャンプ。ほとんどは失敗に終わりました。

体は限界に来ていました。

スタッフ 足の調子があれですか?

羽生「全然そんな事はないです」
打ち身や切り傷で全身はぼろぼろ。


羽生「まあ多分転けたから。転けなければいい話なんですよ」
強がって見せる羽生選手。

羽生「ちゃんと降りればいいんですけどね。まだ下手だから」

羽生「ちょっとイライラしてたんで。ちょっと自分にイライラしてたんで」

羽生「例えば、「どこどこが曲がってるよ」って、そういう注意をしてくれるじゃないですか。でも、そこだけ伸ばせばいいかって言ったらそうじゃないんですよ」

羽生「だからそこを伸ばすためにも他の部分も何かしなきゃいけないんですよ」

羽生「その何かが分からない」

Q. それを今は探りながらジャンプ跳んでるっていう事ですか?
羽生(うなづく)

羽生「とにかくそれが絶対コツになってくるので」

羽生「とにかくそれをやれば、そこは曲がらないとかそういうのが絶対あるんですよ、どこかに」

羽生「それを探ればいいかなって」

羽生「よし!跳んでやる」
☆☆☆☆☆☆
織田くんによると、アイスショーの時に初めて試したその日に跳べたという羽生くんの4回転ジャンプ。
でも、安定的に跳べるようにはなかなかならなかったんですね。
2010-2011シーズンの頃は、成功するのは50本に1本くらいと羽生くんが言っていました。
それでも、やっぱり試合に強いというか、2011年の4大陸選手権ではフリーでただ一人4回転ジャンプを成功させ、初出場で銀メダルに輝いています。
こんなに幼くてぷっくり頬っぺの羽生くんが、2位だったんです


このパートで、4回転ジャンプを成功させるために、ここだけは押さえないといけないポイントを羽生くんは探っています。
そこがどこにあって、どうすれば良いかが分かれば、どんな状態でも、疲れていても跳べるようになるんでしょうね。
こういう理論的な取り組み、ジュニアの頃から既に話している映像がありますが、感覚を数値や論理に置き換える考え方が、私はすごく好きです。
身体は傷だらけですけれど、負けない精神の強さと聡明さが輝いています!
⑤に続きます。
◆写真は全て、元の動画からスクショしました。ありがとうございました。