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(6月)

宮城県・石巻に向かったのは、その(ソチ五輪)4ヶ月後。


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寄せ書きをくれた中学生たちに、感謝の言葉を伝えたかった。


迷った末の決断だった。




羽「行っちゃダメかなって思ってたんですよね」

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羽「僕が行って何が変わるかって…すごい考えてて」

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羽「人の心の中をすごい、土足で踏みにじってるような感覚があるんですよ」


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繊細な心は、この時も揺れ続けていた。





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自分は、津波の被害を免れ、仙台も離れてしまった。


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苛酷な体験を強いられた人々の前に立てるのか。


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目の前には、今も癒えない傷痕が広がっている。

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(震災前の石巻市)

そこには、かつて幾つもの家が立ち並んでいた。

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それぞれの屋根の下に、笑い声が溢れていた事だろう。

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羽「ここまで逃げて来てたのかな」




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地元の人が羽生に気づいた。



地元の女性
「素敵だー、実際に見ると」

(羽生くん会釈)


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地元の男性
「の、本当はねえっこでねか?」

(↑東北弁なので正確に聞き取れませんが、「おまえ、本当は女の子じゃないか?」と言ってると思うのですが…(=・ω・)/)

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羽「ははは、いやいやいや(笑)」

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女性「顔も小顔でねースマートだし、こっちが恥ずかしい」

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男性「どこさ行っても声かけられるっぺ」

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羽「最近は」

女性「そりゃそうだ」





他愛ないやり取りが終わる頃、男性が淡々と口にした言葉が突き刺さった。


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男性「家もなにも、女房から家から犬から小屋からプレハブから」

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男性「全部みんな流されて、なあーんにもねえんだ」

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女性「奥さんまで流されたの。流したっておかしいけどね」



石巻の現実。


被災地の現実。


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女性「じゃあどうも」

男性「これからも頑張ってよ。見てるからね画面ね」

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羽「ありがとうございます」


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羽「あー、つらい」



羽「つらい、つらい、…ははは」



羽「ねえ。喜んで頂けるのは嬉しいんですけどね」

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羽「ああ~…」

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羽「やっぱつらいな」

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「なんか」

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羽「ねえ、だって今こんなに笑ってますけどね」

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羽「ここまで来るのにどれだけの苦労があったかって思うと」

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「ああ…」

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羽「罪悪感がある」

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「ははは(笑)」

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「きつい」

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「つらい」

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「つらい」

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「へへへ(笑)」

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「つらいぞ」

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これから出会う中学生たちも、つらい出来事を乗り越えて来たに違いない。


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あの日から3年、羽生が石巻を歩くのは初めての事だった。

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ここ石巻市では、3500人以上が亡くなり、今もなお400人以上の行方が分かっていない。






羽「ここには本当は家があって」

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羽「夜はここでみんなが寝ててって考えた時に」

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羽「その数字(死者・不明者数)っていうのが、どれだけ重いものかって」





    ☆☆☆☆☆☆



「土足で踏みにじる」もかなり動揺した言葉でした。

(´;ω;`)


地元の方の話を聞いて、辛すぎて笑けて来て、カメラに背を向けつつ、何度も「つらい」と言う場面はカメラがなければ羽生くん泣いていたかも知れないなと思います。



罪悪感を持つ意味とか、その解決の道とか色々考えさせられます。


でも、既に16歳の頃からチャリティーのショーに出たり、自伝を書いて印税を全額寄付したりしているんですよね。



金メダルを取っても尚、無力と言う…。


とても自分に厳しくとても立派な人。



時に自分に厳しすぎて心配してしまいますが、羽生選手を本当に尊敬していますし、ずっと応援して行きたいと思います。

(* ´ ▽ ` )つ