
2011年の夏、地元の神社を訪ねた羽生は…

馴染みの店で、こんな励ましを受けていた。

店主「がんばってね」
羽「はい。ありがとうございます」

店主「『頑張ろう東北』なんて書かなくていいからね」

羽「あはは(笑)」

店主「自分が頑張る」
羽「そうですね、がんばります」
店主「そうすればみんなが喜ぶ」
羽「はい(笑)」
店主「頑張ってください」
羽「はい、ありがとうございます」



震災から半年がたち、試合のシーズンが始まった秋。

羽生は自分に言い聞かせていた。

(ネーベルホルン杯)

(同時16歳)
被災地のために戦うのではない。


リンクに立てば、己のために戦うしかない。


















この年、羽生は国際大会で2度の優勝を勝ち取った。

(ロシア杯)

(2011年11月 宮城・仙台空港)

凱旋した仙台で、同世代に当たる高校生たちの喝采が待っていた。





生徒全員
「優勝おめでとう」



嬉しかった。



羽「演技見て『すごい力が出てきたよ』とか」

羽「『すごい勇気づけられた』とか」

羽「本当に嬉しかったですし」
☆☆☆☆☆☆
「がんばろう東北なんて書かなくていいからね」
お店の方がかけてくれた言葉。
羽生くんはふっと肩の力が抜けたように笑って、私も温かい気持ちになりました。
この頃、リンクでは自分のために戦おうと思っていた羽生くん。
その半年後、ニースでは直後に天に向けて指をさして見せました。
『僕だけの力じゃなくて、色んな方の思いがあったから』
そんな意味を込めて。
*関連記事『ニースで天を指した意味』
こちらから
ネーベルホルン杯の映像、とても貴重ですね。
表彰式の様子も少しあって嬉しかったですね♪
それから、生徒たちに迎えられ、照れくさそうにタッチしていく羽生くんのスケートの時と違う高校生の顔。
時々、本当に近い人にだけ見せる羽生くんの素顔、大好きです。
(*^^*)