
ナレーション
カナダ東部にある、オンタリオ州。羽生選手は5月からここで暮らしています。

(バリー・モルソン・センター)
フィギュアスケートが盛んなカナダでは、各地でアイスショーが開催されます。

家族連れやお年寄りなど、目の肥えたファンが客席を埋めます。

この日、羽生選手はカナダに渡って初めてアイスショーに参加しました。

プロのスケーターに混ざって技を磨くためです。


日本のフィギュア界では、その名を知らない人はいないほど高い人気を誇る羽生選手。

しかし、ここカナダではほとんど無名の存在です。

スタッフ
「あっ、「ユズラ」になってる」
「え?」
「あはは。ウソ」
「ホントだ。ユズラだ」
「ユズラ・ハニュー。ロシア人(笑)」

「で、こっちは「ユズル・ハンヤ」」
「すごいテキトー(笑)」

羽「しょうがないです。別に」

羽「そんな気にしてないです」

(ショーの始まり)
「ユズル・ハンヤ」

(パリの散歩道)
日本とは違う空気の中、羽生選手の演技がスタート。

開始まもなく、会場の雰囲気が一変します。


目の覚めるような4回転ジャンプ。


一気に観客の心を掴みました。


この日、羽生選手はカナダの人々にその名を強烈に印象付けました。


観客♪ピー「ブラボー」

羽「あ゙~疲れた~」

スタッフ
「日本のアイスショーとは勝手が違うもんなの?」

羽「てか、何が緊張したかって言うとー、あの、海外の人だけの反応って言うのがまず緊張したんです」

羽「おもいっきしアウェイじゃないですか、僕」

羽「(首ふりながら)いやいやいや」

羽「日本って、やっぱ凄い超満員になって、凄いきゃーきゃー言うじゃないですか。黄色い声援が飛ぶじゃないですか」

羽「マジこんなんの所で滑んの!?みたいな、けっこうそういう緊張はありました」



羽生選手はトロントにあるスケートリンクに通っています。


午後1時、練習に向かいます。

羽生選手が通うこのクラブは、創立60年。
数々のメダリストを輩出して来た名門クラブです。

ナムくん
「Hello YUZU」
高いレベルの練習を求めて、世界中から選手がやって来ます。

羽「よろしくお願いします」

ここで羽生選手は、1日3時間、週6日の練習を積んでいます。

このクラブには20人程のコーチが在籍。
ジャンプやスピンなど、専門の技術を持ったコーチがチームを組んで指導します。

羽生選手が、得意の4回転ジャンプの精度を高めるために、教えを仰いだのがブライアン・オーサーコーチです。


現役時代、ジャンプを武器にオリンピックで2度銀メダルを獲得しています。



(バンクーバー 2010年)
引退後コーチになってからは、バンクーバー・オリンピックでキム・ヨナ選手を金メダルに導きました。

オーサーコーチは、羽生選手に底知れない可能性を感じ、指導を引き受けました。




目下の悩みは、言葉の壁。

多くは、身振り手振りです。


(周りから拍手とフー!の声)

オーサー
「どう?」

オーサー「私は50歳だよ」


時には、こんな言い間違いも。

羽「(英語で)僕の方が年上です」

オーサー「何だって?」

オーサー「君が年上だって?」

オーサー「ハハ(笑)僕の孫でもおかしくないんだぞ」

☆☆☆☆☆☆
けっこう2010~2012年くらいは、安定の“ユズラ”でしたね(笑)
この時、アイスショーで初めて披露したパリの散歩道。
「ユズル・ハンヤ」を見た人たちは、後に彼がオリンピック金メダリストとなって驚いたでしょうね。
この時、羽生くんが「アウェイな感じ」に緊張するのはちょっと意外な気がしました。
今は、羽生くんと言えどもナーバスになる事もあると知っていますが、それでもさらりとやってのけてしまうので、やっぱり強心臓ですよね。
時々ちらほら出るナムくんがまだ小さくて可愛いですね。
(*^_^*)