
上田「ショートプログラムはね、かなりの高得点で首位に立たれて」

上田「ぶっちゃけ金メダル意識しましたか?」

羽生「多分してたんだと思います」

羽生「ただ、それをしてないんだと自分の中で錯覚と言うか」

羽生「まあ多分、脳みそで処理をし切れなかったんだと思いますね」
上田「ほうほう」

羽生「オリンピックの金メダルを意識してないって思ってたんですけど、実は意識してた」

羽生「でもその時点で多分僕の敗因が、そこだったと思いますね」

羽生「やはりその、自分が分かり切れてないって言うか」

羽生「自分が分かり切れてないから、自分の最大の実力を出せなかったって言う所があると思うので」

羽生「多分余計に体が固まっちゃってたのかなという風には思ってます」

上田「あの、自分でも「あれ?今日違うぞー」って、例えば6分間練習の時とかに「あれ、なんか動かない」とかそんな感じはあったんですか?」

羽生「すごいありました。6分間の練習から本当に全然動かなくて」
上田「ええ」

羽生「すごい不安だらけでした」
上田「ええー」

上田「ちょっと焦りました?ヤバいヤバいとか」

羽生「かなり焦りましたね」
上田「なるほど」

上田「どうですかね、フリーの演技が終わった後に、やっぱりショートプログラムの時に比べるとちょっと不満そうな表情かな、と思ったんですけど」

羽生「そうですねー。あのー、ちょっと悔しいと言うか」

羽生「とにかく、あ~これで落としたなと言う様な」
上田「あっ、金メダルはちょっと難しいかなと?」

羽生「思ってました僕は」
上田「ああ、そうですか」

羽生「あの、演技やってる最中はさっき言ったように、金メダルを意識してないって言う風に、まあ錯覚みたいな感じでしてたんですけど」
上田「ええ、ええ」

羽生「演技終わった直後に「あ~これでもう金メダル無くなったな」と言う風には思ってました」

上田「ああ、なるほど。そんな気持ちだったんですねー」

上田「やっぱりああいう時は、他人のミスとかは求めないもんなんでしょ?」

羽生「…」
上田「自分がちょっとダメだったから…」
羽生「はい…」

上田「「頼むパトリック・チャン、転がれ転がれ!」みたいな事とか思わないですか?」
(笑い声)

羽生「あはは(笑)」


羽生「僕はあの時応援してました。パトリックを」

上田「そこが凄いですよね」
羽生「いや、でも」

羽生「それが多分僕のためになると思ったんですね」
上田「ほう」

羽生「僕がここで、まあこの演技で勝てたとしても、それでも多分悔しい思いはすると思うから。だったらやはりパトリック選手の最高の演技が見たいって普通に思ってました」

上田「いや、勉強になるわ」

羽生「ふっふふ(笑)」

上田「もう俺なんて、ネプチューンが新番組始めると思ったら「しくじれ、しくじれ!」と思うもんね」

羽生「あははは(笑)」
上田「あっははは(笑)」

上田「そこがやっぱり金メダリストは違うんだね」
羽生「いやいや」

上田「でも勝手にね、羽生選手。この2年ぐらいのその勢いと言いますか、何か凄く活躍ぶりが目覚ましいものがあるなって僕は思うんですけど、自分の中でもなんか「大きく変わったなー」なんて思うところ御座いますか?」

羽生「まあやはり拠点をカナダに移して、まあ少しずつ心境の変化というかそういうものもありますし」

羽生「また、そのスケートに対する思いっていうのが、まあ震災を通してですけれども、やはりスケートが好きなんだっていう思いを凄い大切にする様にはなりました」
上田「あ、なるほどねー」

上田「どうですか、選手村ではリラックスして過ごせましたか?この何日間て言うのは」

羽生「…いや~、リラックスはしてないかもしれませんね」
上田「あ、やっぱりこうずっとどっかで緊張状態が続いているような?」
羽生「そう…ですねー」

羽生「あの…どちらかと言うとフィギュアスケートって言うのは日々自分との闘いなので。日々って言うか試合では自分との闘いなので」
上田「ああ」

羽生「わりとスケートで滑っている間は、けっこう普通に試合っていう感覚はあったんですけれども」
上田「うんうん」

羽生「やはりあの、選手村とか、まあ宿泊している時には周りが凄いオリンピック一色ですし」
上田「はい」

羽生「または、テレビに映ってる所もすぐ近くの会場なんで、やはり寝泊まりしてる時は「ああ、これがオリンピックなんだ」っていう感覚は凄くありました」

上田「ああ、なるほどやっぱりそういう所からオリンピックっていうのは、ちょっと他の大会とは違うなっていうところも?」
羽生「ありましたね」
☆☆☆☆☆☆
パトリック選手が最初の4回転を決めた時は、終わったと思いましたね。
でも転倒が2回になってからは、正直チャンス来た!って思っちゃいました。
「転がれ転がれ」とは思っちゃいませんけど(笑)
どうしても羽生くんの子供の頃からの夢が叶うところを見たかったのです。
(´;ω;`)
全ての努力が報われる瞬間が見たかった。
東日本大震災の後の日本に、素晴らしい栄冠を持ち帰って欲しかった。
人々を照らす、その願いが叶えられて、本当に良かったと思います。
(*´∀`*)