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有「福井県41歳の女性から『最終的には、和のこの曲に今シーズン決めたのは何でですか?』」

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羽「まず自分が世界選手権終わって、もうひと試合あって、で、その後に本当だったらもうその次、その試合の時にもう来シーズンの事を考えないといけないんですね」

井「ふーん」

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羽「で、自分がどういう曲を滑りたいっていうのを決めていて、で、もう振り付けの段階まで入って行かないといけないんですけど、それがちょっと遅れちゃったので、わりとテンパってて」

井「あ、そう」

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羽「で、世界選手権が僕の中で物凄い悔しくて。全然ダメだったからこそ、その次の試合でいい演技が出来て若干の燃え尽き…。なんですかね、軽い『やっと終わったー』て言う感覚があり」

井「ふーん。ちょっと気が抜けちゃったみたいな」

羽「やっぱり激動過ぎたので。そのシーズンは」

井「そりゃそうですよね」

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羽「だからなんか、フッとした時に、何がいいかなって色々な意見を頂いてたんですけど、」

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羽「なんか上手く嵌まんなくて」

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羽「で、その、まあインターネットで色んなものを本当に、楽曲も色んなものを聴いたり、ま、触れたりして調べたりしている中で、今シーズン‘和’でもいいかなって」

井「へえ」

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羽「最初のきっかけは、大河ドラマの音楽を聴いた時に『あっ、和っていいな』って思ったのがきっかけでした」

井・有「へえ~」

井「やっぱ、その音楽を聞くと、やっぱり自分が滑っているのを想像するものですか?」

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羽「そうしないと、やっぱりプログラムに合ってないとダメなので。
例えば今(スタジオで)流れてるここの音なんかは、メインの、この映画のメインのパートなんですけど」

井「うん」

羽「ま、このパートを聞いた時はパッと自分滑ってるの浮かんだんですよ」

井「へえ」

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羽「『いいな、この曲いいな』って。けど、いざ、僕が編曲にもちょっと携わったんですけど今回」

井「そうなんだ」

羽「初めてなんですけど」

井「ええ」

羽「いざ、その色んなサウンドトラックから拾って行って編曲するんですけど、も、全っ然合わなくて」

井「合わないんだ」

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羽「その、基本リズムが和で構成されているので、ゆっくりなんですよね」

井「あ~」

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羽「だからフィギュアに合わない所があったりして、そこの感覚は難しかったですね」

井「そうなんだ。自分でもイメージ出来てたはずなんだけど、やっぱりいざやって見ると、やっぱり日本の音楽っていうのは難しいですか?」

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羽「やっぱり感覚違いましたね」

井「違いましたか」

羽「はい。あの構成するにあたって、そのリズムがゆっくりだと言う事は、僕たち編曲して色んな曲繋ぎ合わせないと、あの、いい形にならないんで」

井「なるほど」

羽「飽きてしまうし。単調になってしまうので」

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羽「それを、例えば4分40秒まで縮めなきゃいけないんですよ」

井「そっか」

羽「4分40秒で1曲あったとして…1曲ずつ入っていたとしたら、そこのパートに使われるフレーズが、リズムが遅ければ遅いほど少なくなってしまうんですね」

井「勿体ない事になっちゃうんですね」

羽「そうなんです。だからそのリズムの調整とか、だから速度を上げてピッチ下げて元の音にしたりとか、そういう作業も…はい」

井「それ1秒でも漏れたらダメなんですか?」

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羽「1秒でも漏れたら1点減点なんで」

井「えー!減点してもいいから1秒伸ばさせてくれ、みたいな…」

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羽「はははは(笑)もう、けっこう、1点は大きいんで!」

井「おっきいですよねー。本当に」

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羽「0.…本当になんか採点の基準て皆様には分かりづらいと思うんですけど、意外と0.0コンマ何点の世界で闘っているところもあるので」

井「1点は大きいですよね」

羽「わりと大きいんです。はい」

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有「しかも音楽もそういう挑戦的なのに、4回転ジャンプも3回入れるって、なんかどっちかを緩くしてもいいんじゃないかと思うんですけど。全部上げて臨もうって言うのは凄い…」

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羽「なかなか、あの、後半にトリプルアクセルと言う、4回転の前に難しい技があるんですけど。その技を後半に2回入れてるんですね。で、それプラス4回転を後半に1本入れるって言う構成ってなかなか無いと思うんですね」

井「かなりチャレンジ」

羽「…なんですよね、本当は」

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羽「なので、そのチャレンジって事もあって大変だと言うものもあり。
それプラス、じゃあ構成が難易度が高ければいいか、と言われたらそうではなくて。
やっぱり確実に決める、そして構成に、ジャンプとかに入るまでの、その難易度と言うかステップを入れたりとかも凄く重要になる」


    ☆☆☆☆☆☆


SEIMEIは曲も、陰陽師の世界観も全部羽生くんに合っていました。


日本にしかない独自性のある物語に説得力を持たせて、世界を魅了するプログラムにシーズン前からワクワクしました。


でも、ステップシークェンスのクロスロール、本来の物語の意味を考えると後ろ向きと前向きの両方があって、陰陽の術式が成り立つと思うのですが、レベルのためにバックが削除されてしまい非常に残念でした。

前向きが残って幸いでしたが、あそこがSEIMEIと言うプログラムの肝だったので、妖艶な振り付けが削られたのがいまだに心残りです。
つД`)・゚・。・゚゚・*:。