(続きです)



ーファンタジーでも金沢からはコラボではなく、また違ったものをやると聞きましたが、どういうものですか。



羽「まだ作っている最中なので詳しくは言えませんけど、これからやろうと思っているのは新しいエキシビションプログラムです。

曲自体はボーカルも入っていなくて難しいんですけど、かなり感情を出せるプログラムで…。

それにこれまでの僕の経験とか、その時の気持ちとか感情を込めてやろうと思うんです。

ただ歌詞がないから受け取る皆さんの感情などは、多分僕のものとは違いますよね。

でも僕はそれを一緒にしようとは思わないし、『これを受け取って欲しい』というのはないですね。

もちろん振り付けの宮本賢二先生との間では『こういうイメージでやろう』というのは固まっているけど、僕が作り出すイメージはその時限りのものだから、その一つ一つを感じて欲しいなというのと、それを観た時に感じたものが少しでも記憶に残ってくれればと。
僕の演技が記憶に残って欲しい、というまでのあつかましい事は言わないので(笑)」




ー観た人たちがそれぞれに感じたものを、記憶に残して欲しいということですね。



羽「そうなんです。僕の演技が映像に残れば何度でも見て欲しいですけど、アイスショーは試合じゃなくて1回しかないから。

その時自分がナマで見て感じ取ったものというか、観ていて思い浮かんだ風景や自分の経験、または思い出だったり…。

そういうものをすごく大切にして欲しいなと思っています」




ー観ている人たちの感情を触発するようなプログラムであり、演技なのですね。


羽「はい。多分僕はどちらかというと今までいろいろ演技させて頂いていて、何かメッセージを伝えるというプログラムはあまり得意じゃないと感じているんです。

バレエの先生とかいろんな方にプログラムを見て頂いた時も、『自分に入り込み過ぎるな。もっと周りに向けて表現しろ』と言われてましたから(笑)

だからどちらかというと僕は周りに与えるのではなく、自分を表現することの方が得意だと思うんです」




ーそれは去年も話していましたね。自分の中に入り込み過ぎると。



羽「そうですね。それでもっと外に出したいと思ってファントムを表現していたけど、結局は『そのファントムとは?』と言われたらやっぱり、自分の経験などを表現しようとしていたんだと思うので。

でも新しいエキシビションのプログラムは自分の経験がかなり関わってくるものなので、自分のその時の心境を出すためにも完全に自分の中に入り込んでもいいなと…。

だから、自分の生きざまじゃないけど、そういうのを観てくれた方々がどう感じてくれるかというのをすごく楽しみにしているというか。

いろいろな感じ方をして楽しんでもらいたいと思っているんです」


*静岡エコパアリーナにて取材





    ☆☆☆☆☆☆




アイスショーは1度だけだから、その時自分が感じ取ったものを大切にして欲しいと。


そうなんです。


テレビと違って生で見ると全部その場で全て受け止めて行かなくてはいけない。

慣れていないと、あっという間に過ぎてしまう。


それが生の迫力であり、難しさですねえ。


私が見た金沢の公演は録画がないから、全て記憶の中にしか存在しません。


これを脳内HDDに焼き付けて、なんとか消えないようにしたいものですが。


だんだん記憶がヤバいことに。
(;∀;)