キンシャサを去る日が近づいてきて、最近焦っている。

それは、仕事の整理・引継ぎでも、引越しの準備でもなく、コンゴアートの収集だ。
妻や息子達から、「またパパが無駄なものを買ってきた!」と何度言われても、この魅力に取り憑かれたらもうやめられない。そう、ぞっこんなのだ。

最近では、ボボト文化センターのアンティークショップの常連客になり、店主とも懇意になってしまっている私。

それでは紹介しましょう、最近購入した作品。


高さ10cmくらいの、赤ちゃんを沐浴させる女性。でも顔はいかりや長介。植民地時代の作品で、昔は足の甲に子供のおしりを乗せて洗っていたことを示す文化的価値のあるもの。店主に「これは傑作」と言われてその気になって購入。バコンゴ州。彫りが秀逸で、手元に置いてから時間が経つほど味が出てくる逸品。

 
男女ペアの像付きベンチ。二人のおなかに刺青があり、お尻がぷりっとしていて、愛らしい。スーダン国境のオリエンタル州の作品。上の彫りの秀逸さを売りにした作品とは打って変って、プリミティブ・アートの真骨頂といえるもの。しかも一応実用的。ちなみに、男女の像は台座にはめ込まれているのではなく、すべてが一つの丸太から彫り出されている。


かごを頭にささげ持つ女性。雑貨屋アルティザナ・エ・デブロップマンで一目見て購入を決断するも、手持ちの現金がなく次回まで奥の倉庫に隠しておいてもらった。ただ今、妻の携帯置きに成り下がっている。東カサイ州。造形が調和がとれていて美しい。


コンゴアートのすばらしさは、「造形の多様性とオリジナリティの高さ」ではないかと思う。日本の6.3倍の広大な国土に多様な部族が居住し、ほとんど相互に交流することなく形成された造形美は、バラエティに富み、かつその一つ一つが鑑賞する者を虜にする不思議な魅力を秘めている。

なぜもっと早くこの魅力に気づかなかったのだろう。
残念ながら、キンシャサに来た当初は埃や泥まみれの薄汚い物体にしか見えなかった。その後、少しずつ目が慣れてきて、ようやくいいものとそうでないものの区別がそれなりにできるようになってきた。今となっては後の祭り、と諦めてしかるべきなのだが、どうしても諦めきれず、最近、これは!と思うものは後悔しないように購入している。

でも、日本に帰ったら置き場がないことはわかっているので、ご希望の方がいたら貸出し致します。(M)