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関東で探すことになった両親の住まい。
検討していた引越し先は
北関東戸建て探し→((迷走))→東京の老人ホーム
へと変わり、ケアハウスへの入所が決まりました。
前回のお話はこちら
引っ越しの準備があまり進んでいなかった母。
やっぱり…
と思いつつ話を聞いていたらどんどん母の妄想の世界が広がって行きました。
泥棒が入って服を盗られるという母。
さらにこんな話が続きました。
母
「ここはずっと前から泥棒が入って
私の化粧品も持っていくのよ」
私
「化粧品…、そうなんだ」
母
「この前も化粧水とブラシを盗られたの」
洋服の次は化粧水を盗られたと言い始めました。
もし本当に泥棒が入ったとしても、母の古い服や化粧水を持っていくはずはない。
しかし、これを否定するわけにもいかず、なんとなく相槌を打っていると
母
「でもね、時々返しにくるのよ。
化粧水は返ってきたわ。
元の場所にこっそり戻してあったの」
私
「えー、返しに来るの??
そんなこと…」
そんなことありえない!
と言いそうになりました。
泥棒が化粧水を持っていって、さらにこっそり返しにくると…。
そんな話を大真面目に語るのですが、どう考えてもありえない話です。
私
「化粧水を持っていって、
そして返しにきてたんだ」
母
「そうなの!
ハサミも盗られてたんだけど
この前戻ってきたわ!」
今度はハサミまで…
やはり認知症の症状はだんだん進んで行ってるようです。
東京に引っ越してきて環境が変わったら、これから更に悪化するのかもしれません。
しかし、もうこの状態で九州で暮らすことは不可能です。
あと1年早ければ…
引っ越しのタイミングが遅くなったことを私は後悔していました。
東京への引っ越しがもう少し早ければ、薬で進行を遅らせることができたかもしれない。
母の話は母の妹たち、私の叔母たちの話に変わりました。
母
「妹たちがね、ウチの家が
広くて気持ちいいって言って
よく遊びにくるのよ」
私
「え、おばさんたちが?」
叔母たちも高齢になり、最近はほとんど交流がないと父から聞いていました。
これも母の妄想なんだろうか?
母
「この前は弟が来て、
やっぱりウチの家が広くて
居心地がいいって言ってたのよ」
さらに叔父まで…。
そんなに母の兄弟たちが実家に訪ねてくるとは思えません。
しかも叔父は九州を離れて暮らしているので、なかなか会う機会がないと以前母から聞いていました。
これはきっと母の妄想…
最後に父に電話を代わりました。
私
「お母さん、おばさんたちが
家に来るって言ってたけど
おばさんたちそっちに来たの?」
父
「いや、来てない」
やっぱりなぁ…
父
「全然来てないし、電話もしてない」
ということは、あれはすべて母の妄想??
父
「あー。1人だけ、たまに来る人がいる!
三女のユキさん。
たまーにその人だけは訪ねてくる」
私
「そうなんだ、じゃあ
全部が妄想なわけじゃないんだね」
父
「うん、まあ…。
ただ訪ねてくるって言っても
本当にたまーに来るだけだからな
他の人はもう誰にも会ってない」
私
「おばさんたちと
電話では話してるの?」
数年前、叔母たちと顔を合わせる機会は減ったものの、母は叔母たちとよく電話で話すと言っていました。
高齢になると、それぞれ外出も簡単ではなくなり、集まって会食をする機会もほとんどなくなったようでした。
その分、電話での交流は続いているのかと思っていましたが
父
「うーん、それがなぁ…」
父の話では実際はそうでもないようなのです。