すごくすごく昔、インターネットの影も形もなかったころ、
「雑貨カタログ」という雑誌がありました。当時は
雑貨ブームだったのです。雑貨をインテリアに取り入れた素敵なグラビアがあったり
イギリスやアメリカのアンティーク雑貨は、昔こんなふうに使われていたんですよ、という記事があったり、雑貨ショッピングのために、青山・代官山・自由が丘の雑貨屋さんマップがついていたり、と、いった感じでした。
チー=キーは、そのマップで見て、面白い名前だと思って、行ってみたくなりました。
青山と代官山の真ん中あたりにあったと記憶しています。
自由が丘のように、狭い地域にたくさんの雑貨店が集積しているのではなく、地図上にぽつんと1軒だけありました。
ある日、意を決して、行って見ました。マンションのリビングくらいの大きさの店内に、イギリス・アメリカのなつかしいアンティーク(というか、1950年代頃のもの…本当は、アンティークというのはもっと古い年代のものですよね)が並べられていました。
店主は男性の方でした。そのとき買えたのは、イギリスのお菓子材料の販売促進品のスケッパー(お菓子生地をボウルから綺麗にすくいとるヘラのようなもの)だけでした。
赤字に白で、お菓子材料の名前が書いてあって、使いこまれていたらしく、プラスチックの下敷きみたいな材質なのに、ゆるくカーブしていたのです。
素敵なお店でしたが、遠いし、置いてあるものもよいお値段のものが多く、行けたのはその時だけでした。
それから数年たって、その頃はネットも普及しだしてきたのですが、駒沢にアンティークのお店ができたという情報をみつけました。
ネットってすごいなと思うのは、そのお店が、あのチー=キーのオーナーが始められたお店だという情報も、ほどなく見つかったことです。それがプライド・オ・ホームでした。
出かけてみると、倉庫を改造して店舗にしたらしく、とてもとても広い空間に、1階には家具などの大きなものがセンス良く置かれ、ロフトのようになった2階部分には、1950年代アメリカのカラフルなキッチン雑貨がたくさん並んでいました。
そこには、2回ほど通ったでしょうか。買ったのは、木でできた、緑色のペンキが塗られた帽子スタンドと、水色のワイヤーで出来た、牛乳配達用のラックでした。
プライド・オ・ホームは、ホームページもあって、足しげく通えなくても、ホームページを見るのは楽しみにしていたのですが…
ある日、ホームページ上に、これからは小売りはやめて、業者向けに什器レンタルや販売をする、と発表がされました。
最後に、プライド・オ・ホームが代理店をしていた、ロイドルームという、籐のようなペーパーコードと木でできた椅子を注文しました。
そのうち、ホームページも閉鎖されてしまい…
残念でしたが、買ったものは、今でも私の部屋にあります。変わることなく、大事に使って・飾っています。今は、アンティークのレプリカも普及していますし、ネット販売は普通ですが、あの当時、実店舗で、実際にそのものを手に取ったり、実物に囲まれたりできた経験は、とても得難い経験だったのだな…と思いました。