「牛のおっぱい」菅原雅雪 講談社

 

北海道、たぶん上川地方(女子ジャンプの髙梨沙羅ちゃんの故郷です)。

故郷を離れて10年ぶりに、太児(たいじ)が帰ってきた。

人の出しているオーラが見える、不思議な力を持つ彼は、大きな体で、

いつも機嫌よくすごしている。

彼は、牛が自然に過ごせて、酪農家たちの負担も少なくなる方法を考え出す。

それは、自然の山に牛を放し、下草を食べさせ、笹の繁茂を抑え、

林地に牧草地を作り、牧場にするというものだった。

 

幼馴染で酪農家を継いでいる珠江さんや、その妹で高校生の美里ちゃん、

農業共済組合の獣医、やよいさんとの交流。

酪農家のおじさんや、太児の山を管理していてくれた八助さんと一緒に

丸太小屋を作る中で、自然とは、農業とは、酪農とは、と、登場人物は

皆、新しい考えに気付いていく。

 

太児は、一緒にいると気持ちよくなって、ふわーんと幸せになれるという

不思議なキャラクター。相手が人間でも動物でも、相手の自由を尊重する彼の

まわりには、自然と動物や人の輪ができていくのでした。

 

北海道の自然の描写がとても気持ちがいいのです。太児の笑顔も。

太児が好きになるやよいさんも、きれいなオーラを持つ、ゆったりした人。

古い本ですが、魅力のある話で、大好きです。