空気を暖めない暖房2..
そこで登場するのが ”輻射熱を使った暖房” です。輻射熱というのは遠赤外線です。この輻射熱というのは地球上のあらゆる物質が例外なく吸収放出しています。放射熱は自分より温度の低い物体へものすごいスピードで飛んでいきます。(電磁波は熱ではありませんが、空間を伝って伝達先の物体にあたると、電磁波の振動エネルギーにより伝達先の物体の分子が振動して熱を発する。というのが熱放射で、よく知られているのが電子レンジです。)焚き火の経験ありますか?冬の風のある寒い日に焚き火に当たると暖かい。でも煙がけむいから風上に行きますよねぇ...でも火の暖かさは身体を温めてくれます。エアコンなどの空気で暖める暖房では風上に暖かさが来ることはまずないでしょぉう...これが輻射熱です。輻射熱を使った暖房って?実は昔からあるこたつやハロゲンヒーターなども輻射熱をつかった暖房器具です...ただエネルギー消費量が大きいのが難点。そこで最近使われているのが、ヒートポンプを使って温水をパネルに流すクール暖や薪ストーブ・ペレットストーブです。これらは廻りの空気も伝導や対流で暖めますが、大部分は輻射熱(遠赤外線)です。先程もお話ししましたが、輻射熱は自分より温度の低い物体へすごいスピード(電磁波早さは秒速30万km)で飛んでいき、天井や壁、床の温度を暖めます。もちろん人の身体も温めます...天井や壁、床の表面温度が暖められますので ”体感温度” も上昇します。体感温度というのは、各表面温度と室温をたしたものの平均。(もちろん風や湿度などの影響も考慮した計算をしなくてはいけませんが、今回は単純に冬の室内で風はいらない環境でということで...)たとえば、天井20℃、壁18℃、床15℃、室温22℃のとき、(20+18+15+22)/4=体感温度18.75℃ということになります。たとえば薪ストーブを使ったら輻射熱の効果で天井や壁、床の表面温度がすべて20℃になります。すると体感温度は、20.5℃となります。体感温度18.75℃で快適ですよ..ということならば、天井や壁、床と室温をこの18.75℃という設定温度で暖房すればいいことになりますね。ということで、空気で暖める時よりも低い室内温度設定が実現できますし、温度ムラもなくなります。また開放型の暖房器具のように、室内空気が汚れることもありませんし、温度も低く設定できる分湿度が下がるのも防ぐことができそうです。そんなことから、「空気を暖めない輻射熱を使った暖房」 考えてみたらいかがでしょう...