毎日新聞 4月20日(土)21時49分配信
【成都（中国四川省）隅俊之、北京・石原聖】中国四川省雅安（があん）市蘆山（ろざん）県で２０日午前８時２分（日本時間同９時２分）、マグニチュード（Ｍ）７・０の地震が起き、新華社通信によると、１３２人が死亡、５０００人以上が負傷した。多数の家屋が倒壊、一部道路が遮断され、複数のダムで亀裂が見つかった。Ｍ３・０以上の余震が断続的に発生しており、２次災害の危険性も出てきた。被害の全容は明らかになっておらず、死傷者がさらに増える可能性がある。震源の深さは１３キロ。
中国メディアによると、蘆山県は強い揺れに見舞われ、幼稚園などが倒壊。震源地近くの同県竜門郷では、ほぼすべての民家が損壊した。病院は負傷者であふれ、手当ても受けられない状態。周辺の県も含め広い範囲で電気や水道、通信が止まり、道路も山崩れなどで寸断されている。被災者は約１５２万人に上る。
習近平（しゅうきんぺい）国家主席は被災者救援に全力を挙げるよう指示。李克強（りこくきょう）首相が被災地入りした。
蘆山県は四川省の中心都市・成都の南西約１１０キロ。雅安市にはパンダ保護研究センターがあり、東京・上野動物園のジャイアントパンダ２頭も同センターで飼育されていた。
今回の震源は竜門山断層帯近くで、地震が多発する地域とされる。０８年５月には�薙川（ぶんせん）県映秀を震源とするＭ８・０の大地震が発生し、死者・行方不明者約８万７０００人を出す甚大な被害が出た。新華社によると、今回の地震について、四川省地震局工程地震研究院の周栄軍院長が大地震の余震ではなく独立した地震との見解を示しているが、これを否定する見方もある。