2017年 米 ディズニー 監督:ビル・コンドン

アニメの美女と野獣がそれほど好きではないので、見に行くつもりはなかったんだけど、ミュージカルシーンが見たくなったんで、2Dの字幕版で見に行きました。

 

冒頭の「Belle 朝の風景」の歌ではアニメを再現してあり、おみごとでした。

余談ですが、映画が終わってから、なんで「ボンジュール」って言ってるの(あとは英語なのに)って言う疑問が聞こえてきましたが、雰囲気を出すため、よく知られている挨拶言葉は現地語にするっていう映画・演劇のお約束事なんですよね。日本でもやってます。

 

キャラクターデザイン

家具や食器たちのデザインがまんがっぽいアニメ版とかなり違っていて、上品ですばらしいんですよね。ルミエール(ユアン・マクレガー)が燭台の姿から、クルッとしゃべる燭台になるところとか、いいですねー。

 

それでは、アニメと比べながら感想を書いていきます。だから、ネタばれ全開です。

 

 

 

まずはミュージカルシーン

すばらしくて、何も文句はないです。アニメにはない野獣の心情を歌うシーンが感動的でした。野獣(ダン・スティーブンス)の声がとても魅力的。低音ボイスがいい!

食器たちが歌い踊る「Be Our Guest」は技術の進歩も相まって、ホントすばらしいです。アニメの方ではCGアニメがまだまだ発展段階で、がんばってはいたんだけど、直線的で物足りなかったんだよね。

 

アニメで当時だれもが驚いたのは大広間でのベルと野獣のダンスシーン。二人の周りをぐるっと上に下に回り込むCGカメラワークが斬新だったなぁ。今回そんな驚きはなかったけど、ポット夫人(エマ・トンプソン)が歌う「美女と野獣」がとてもよかったよ。アニメのポット夫人(アンジェラ・アンズベリー:ミュージカル界の大御所、ジェシカおばさんの事件簿が日本では有名)がおばあさん声で、正直嫌だったんです。今回随分若返った声となりました。

 

ベル(エマ・ワトソン、ハーマイオニ~大人になったねー)の声もきれいだし、「Gaston強いぞガストン」のガストン(ルーク・エバンス)もよかったし、ミュージカルシーンはどれも最高。ガストンはゲス野郎だけど、ルーク・エバンスはかっこいいー。

 

ストーリー

少しベルの家族の話が付け足されているくらいで、ストーリー展開はアニメと同じです。だから、ちょっとの違いが、逆になんで変えたんだかよくわからない。

図書室プレゼントのシーン。

アニメではベルが本好きと知って、野獣が図書室に案内する。ベルが壁一面の本を見て、とてもよろこぶっていうほほえましいシーン。でも、実写では本がたくさんあるのがなんでそんなにうれしいの?って演出になっている。これは野獣も実は読書家で教養があり、身近に本がたくさんあるのはあたりまえだからという意味なんだけどなぁー。どうなんだろ。

二人が読んだ本を語り合うって場面が出てくるけど、女性は「ロミオとジュリエット」が好きって、ステレオタイプじゃない?ベルの変わりものな性格設定と合わないんじゃない?相当変わっているから、野獣にだって恋できるのです。普通はいくらいい人だからって、怪物顔したやつだよ?そうはなんねーよ。相当変人だよ。(笑) 

 

ベルがガストンに野獣の姿を見せるシーン

ここがねー、なんで変えたの? アニメでは野獣の姿が映る魔法の鏡をいとおしそうにベルが見る場面がある。それを見たガストンの表情が変わって、村人引き連れ、野獣討伐へってなる結構重要なシーンだと思うんですけど。ここ、ガストンがセリフで説明しちゃってるんですよね。

 

でも、「美女と野獣」はミュージカルシーンを見に行ったんだから、まっいっか。

 

映画館は満員で、日本ってこんなにミュージカル映画を受け入れる土台ってあったけ?って思いましたが、ディズニージャパンの宣伝勝ちですよねー。商売上手だなー。

 

そうそう、ガストンにくっついていた腰ぎんちゃくのル・フウ(ジョシュ・ギャッド)がゲイで、ディズニー映画、初のゲイキャラらしいです。