サンライズ・スピードキル
にかのるさん作
魔王を倒すための特殊部隊ANCsのお話。
物凄くキレのある読み物。
終始映画をみているような感じ。
魔法も存在する世界。
かなり凶悪な魔王を倒すために精鋭部隊ANCsに志願するところから話が始まるのだが・・・。
シリアスでキレのある話でありながら要所で笑える。
特にレスラー係。
要所でプロレスに対する熱い思いが伝わってくる。そう、レスラーはショウマンではない。
セメント(真剣勝負)だ。
最初の入隊試験も面白い。能力やら魔法やら戦術やらよく考えて展開されていて、
見ていて「面白い」んですよ。
そして中盤から終盤に向けての繋ぎ、というか引き込みが見事過ぎて。
魔王の存在を少しずつ大きくして言って物語の主軸にしていく流れが素晴らしい。
物語の核心や世界の理の明かし方がさらにプレイヤーを惹きつけていく。
ひたすら真っすぐで優しいリョウの存在だからこそラストの展開は盛り上がる。
死んでいった者たちの怨嗟の表現は最高に自分の心の部分を刺激して笑顔にさせてくれる。
しかしながら個人的に魔王が大好きだ。
魔王だけどどこか人間臭い。人間だから魔王になった、というか。
人間も力を持てば魔王になる、みたいな「納得感」が満載なのだ。
そして終盤の魔王自身の気づきと言葉。
うまく言葉に表現できないが、作者さんからの「メッセージ」的なモノが伝わる瞬間だ。
それは、ラスト主役の二人の言葉にも。
そしてラストの演出(マップやエフェクト)の使い方がレベル高すぎてどうやってこうできているのか・・・と驚嘆する。
一番ラストもよかった。
原作がじぇfさんだということも知り、夫婦共同で仕上げた最高の作品だろう。
本当に面白かった。
画面に食いつくように見られる作品だ。
よき作品をありがとうございます!
