くぃんさん作。
不死をテーマとしたノベル。
べるりニキさんの動画実況にて20時間ほど。
感想:すさまじかった。
・・・だってね、20時間ですよ?
僕は視聴していましたからね。
本来なら8時間程度(それでもノベルとしてはすごすぎる。)
アニメが1話20分だとして1時間で3話
×20=60話。
ガンダムだって50話よ?
ガンダムを1話から見て感想を一言で書くなんてことが無理なのである。
アムロがガンダムにのって、色々な人と出会って成長して、別れを経験してニュータイプに目覚め、戦争を戦い抜いたことを、そう簡単に感想でいえないのと一緒。
ただただ、余韻として「すさまじかった」「大変な熱量と情熱」という感覚が胸にいっぱいある。
製作に3年近く掛けたというのは伊達じゃあない。
本当にアニメを見ているように、先が気になって見続けたのである。
20時間ですよ?これを集中して見ることができる、引き付けることができる時点でガンダムだとかプリキュアとか1年かけて放送する偉大なアニメたちと同等ですよ。
CSツクールで出来るってのがすさまじい。
とは言っても、それだけで感想終わらせるワケにもいかねぇ。
さて、物語としては白と黒二つの話を読み進めていく。
ダークな展開ではあるけど、息を飲む感覚と、それぞれのキャラクターたちが各々の人生を生きていくというかなんというか。
ひたすらに面白かった。
白と黒の章がそれぞれに物語を解き明かしてひとつの大きな話として一致していく。
全体的にダークな展開だけれでも、ユニークな展開も多く、読みやすかった。
飽きもこないどころか、次が気になる引き込み方。
ユベールの後日談が好き。
さらにはエフィの後日談も。
ってか全員好き。
個人的に好きなのはスライム。
こいつ本当に好き。
ところで、この話、それぞれのキャラクターの気持ちに「まぁ、わかるよ」ってなるんだよね。
みーんなそれぞれに立場があって。経験があって。それが伝わってくる。
エルフ狩りの連中だって見方を変えればわかる。
人生、というか人間という種族ですらボタンを掛け違いを続けるもので、それを見事にゲームにして表せている。
ルクスくんが闇に落ちる気持ちももちろんわかる。
そりゃあ不老になった時点でエフィが戻るのを待ってもよかったけど、彼の人間らしさ(あるいは弱さ)がこれを拒んだことも。
ルクスは最後までルクスであったこと、エフィを愛する一人の男であった。見事天晴れ。
仮にも100年を生きた男。
ひとつの目標に情熱を注いできた男の生きざま、しかと見届けたという思い。
不死でなくなってからの研鑽が見れたこともよかった。
結局この男はエフィには会わなかった。
あれだけ愛する女に。
その強さをぽんっと得てしまったことはこの物語の始まりの要素といえる気がする。
これが生涯をかけて宮本武蔵が得たようなものなら蛇の声かけにも惑わされなかっただろうが、
何せ20歳。愛するエフィちゃんにゾッコンだものね。若い。しかしその若さがいい。
もう一人の不死。どうしよう。ネタバレするけども。
彼の存在もいい。ルクスといることで彼が得たもの、人は環境によってどうなるかってのは全然違うのだなぁ。人的環境って大事よ。
不老の特性を失ったからこそ得たもの。
なんていうかね、二人が重なって見えるのよね。
周囲の状況によって生き物はどれだけだって違った生き方ができるというか、なんというか。
さてさて
世界観の作り込みやキャラクターの作り込みに、物語の展開の仕方とかすさまじい作り込み。
面白かった。ただただ面白かった。胸いっぱい。余計な言葉は不要なほどの満足がある。
これがなにより楽しかった証ではなかろうか。
言葉にできないけど「すごかった、面白かった」っていうのはなかなかできないことだ。
素敵なゲームに感謝です。
ありがとうございました。くぃんさん!(o´・ω・`o)