いろはなさん作
騎士の名門に生まれた
二人の兄弟の物語。
かつてはお互いに剣を取り、切磋琢磨していた兄弟。跡取りの宿命と、お互いを思いあうゆえに起きるすれ違い・・・。
非常に美しい物語の流れで、すいすいと読める短編ノベルです。
ツクールフェスでも一度プレイさせて頂いたのですが、
ツクトリにてよりパワーアップしてリメイクされました。
BGMのチョイス、入れ方・消し方や間の取り方がとても自然でスムーズなんですよね。
30分ほどで読み終わる短編。見習いたい起承転結。美しい流れのストーリーライン。
終始『この物語の主軸・要点は何か』をプレイヤーが理解しやすく、物語を追いやすいのです。
いわゆるノベルで致命的な
『えっと、どういう意味だっけ?』がないので
ストーリーの進行がスムーズに追いやすい。
受け取り手がキャッチしやすい表現をかなり意識されたのではと思う。
キーポイントは新しくお屋敷にきたメイドさん。
彼女を通してすれ違った二人はもう一度歩み出していくのが見事。
なにより、この物語の導き手を担うメイドさんがいるおかげで、プレイヤーがしっかりと物語(世界)に入れるんです。
二人の兄弟の間柄だけでなく、プレイヤーとゲームの世界を繋いでくれる大切な役。キーキャラクターですね。
鎌倉殿の13人で言えば小四郎の奥方、八重さんのポジション。
ツクールフェスでは一気読みだったのですが、ツイッターにて「セーブポイントがあったほうがいいかも」というアドバイスをしっかりと取り入れられたようで、読み返しが容易になっています。
僕もノベルを作る身なのですが、このセーブポイントの作り方って結構悩むんですよね。
どんな部屋にするのか、世界観とどうマッチさせるかって辺り。
これがすごく自然でナチュラルで見事。
個人的な話なんですが、この光焔のフレールはすごく影響を受けたゲームでして。
「ノベルという表現技法があるのか」というのはこの作品でしり、僕もノベルを作り始めたんですね。
このゲームがなかったら自分はノベルを作っていなかったかもしれません。
「短編」として過不足なくまとめられている。見事&素晴らしい作品です。
ぴったりの尺。これ以上では多く、以下では少ない、美しい物語の流れと見極め。
見習いたいぐらいです。
ツクトリでのリメイクありがとうございます!
楽しませていただきました!!