それは・・・
文字通り道草を食いすっかり日が暮れた、
お散歩帰りのことでした。
「あ~美味しかった!暗くなってきたし、そろそろ帰ろうかな。」
そこへ突然・・・
どこからともなく聞こえはじめた、僕を呼ぶ声。
「ヤギさ~ん・・・」
「ヤギさ~ん・・・」
はっ!!
(だ、誰!?)
まわりを見渡しても人影は無し。
ただの聞き間違い・・・?
いや違う。
だって僕の耳が長いのは、
あらゆる音を聞き分け外敵から身を守るため。
ヤギはとっても耳が良いんだ。
それに僕の目。
視野の広い横長の瞳孔は、
正面を向いたまま背後の存在までをも感じ取るため。
ヤギはとっても目が良いんだ。
そんなハイスペックな僕が、
気配どころか声の正体すら掴めないなんて・・・
これってもしかして・・・
ゆ、ゆ、ゆ、幽霊!?
あっ。(察し)
ご近所のおじさん「ヤギさ~ん!今日もおなかいっぱい食べたかい~!?」
・・・いや、
分かってましたけどね?
(すっとぼけ)
~おまけの小話~
草食動物の視野は水平方向に対し敏感ですが、
立体的な視点に鈍いのです。
好評発売中!