角川文庫。
最近本屋の店頭でよく目につきますねぇ。

巧いです。読ませられました。

1964年、東京オリンピックの開催まであとわずか。戦後の色を払拭し、欧米と肩を並べようと勢いづく日本。国民の誰しもがオリンピックの成功を願っている。

しかし、急激な発展の影には、切り捨てられたプロレタリアートがいる。それを許せないと感じた男が、オリンピックを人質に日本を脅していく。

当時の風景の細かい描写や流行、人々の生活まで、よく調べられているなぁと感じます。構成も巧いです。

個人的には、オリンピックを人質にとった男の主張は、最後に誰かの耳に届いたのか?ただの爆弾魔として終わってしまったのだろうか、というところが気になりました。

奥田さんの長編て、後半から思わぬ展開になることが多くて驚く印象が強いのですが、今回は直球で来ましたね。劇中、フィナーレと感動しちゃう場面がちらほらありました。

読めてよかった一冊。