この世界の片隅に(原作マンガ) | altさんのブログ

この世界の片隅に(原作マンガ)

一気に読んじゃいました。

絵が穏やかだからそう感じるのかもしれないけれど、こんなに穏やかな視点で描かれる戦時中を描いた漫画って珍しいかもしれない。

あくまでそこに生きる人達の日常を描いた漫画で、反戦マンガではないんですよね。

人生は選択の連続。
起きることに対して、行動、選択、そして運と偶然。

あの時、初恋の人を選んでいたら。
繋いだ手が左だったら。
あの時、広島に帰ったら。

きっとそうしていてもどれも正解で、間違いはない。

というか、もしもって考えたところで、過去の選択をし直すことは出来ないので、どれも結局は正解なんだと思う。

生き残る=正しいと解釈するならば、広島に帰らなかったことは正解なのかも知れないけど、それも分からない。

リンさんは粋な女性のような一部分しか描かれていないけど、恐らく壮絶な過去を背負ってきたんだろうし、本編主人公達とは直接関係なくても、チラホラ出てくる街の様子の中、それぞれが色々なものを背負っているんだろうな。

これが約七十年くらい前に現実であったこと。

私は子供の頃に広島に行った経験はなく、大人になってから、原爆資料館に行った。

色んな事を考えたし、感じたし、大人になっていったからこそ、そう思えたんだと思う。

今の時代を生きる私達。
戦争も知らない、軍隊も持たないので兵役もない、核兵器も持たない。
そんな中で生きる私には、戦争の中に生きることが、知識としてしか分からないし、実感が湧かない。
でも戦後、平和を守り続ける日本が誇らしいと思うし、これからもそれを守り続ける日本であって欲しい。

なんだか、自分って何しているんだろうと少し考えてしまった。

映画は見ていないけど、映画が海外で上映されるなら、多くの人に見て欲しいなと思った。
特に先進国の人達に。
ほとんどの国が軍隊を持つ。
その国の人達はどう感じるだろうか。
このお話は、反戦ものではないし、どこかの国を攻撃するものではない。
だからこそ見た人が色々感じるものがあるんじゃないかな。