あの頃、パナマホテルで | altさんのブログ

あの頃、パナマホテルで

ここのところずっと、買うだけ買って読めていない本が大量にたまっています。
軽く50は超えているような…。
結局買うことがストレス解消につながってるのかも。
まぁ本は時間があるときにいつでも読めるし結果オーラィ音譜

「あの頃、パナマホテルで」。
なんかどこかで見た?と思ったら、タイトルが「あの頃、ペニー・レインと」の映画タイトルににているだけでした(笑)
ストーリーは全然違います。

第二次世界大戦中のアメリカ。
その中を生きた、中国移民二世と日本二世の淡くて純粋な初恋話です。
物語の主軸が、主役のヘンリーとケイコの恋なので、戦争についてはあくまで時代背景として必要最低限しか描かれていませんが、当時のアメリカでのマイノリティの扱われ方、日本人への扱われ方も描かれています。

二つの街の間にある「パナマホテル」。
そこで初めて、戦後何十年ぶりに日本人家族の持ち物が発見される。
それを見たヘンリーは、子供の頃一緒に過ごした初めての恋人、ケイコとの思いでのレコードを探しに行く…というところから話がスタートします。

幼くて不器用だけれど、純粋で瑞々しく、真っ直ぐで一途な純愛が描かれています。
うん、こんな純粋な気持ちは子供の頃の初恋ならではなのかなぁ…。
大人になると、ある意味するがしこくもなるし、背負うものも増えるし。
状況が違えば、2人は一緒にいられたのかもなぁ…と切なく苦いお話です。

多分ヘンリーは、本気で探そうと思えばいくらでもケイコを見つけられたんだろうけど、それまで背負ってきたものや、家族達に対する後ろめたさから、行動には移せなかった。
自分の中の葛藤を乗り越えたゆえに再開。
これが2人のタイミングだったのかもしれない。

状況が違えど、うちの祖父も、結婚を約束した相手と、戦争中に祖父の父により引き裂かれてます。
身分違いがどうとかで。
結局日本に戻っても、祖父のいない間に祖父の親が女性の親御さんに縁談を断ったらしく、会いに行っても親御さんは怒って娘さんには会わせてもらえなかったそうな。
でも彼女は結構近所に住んでいたようで、何十年後の祖父のお葬式には来てくださったそうな。
母曰く、小柄で可愛らしいおばあちゃんだったそう。
それを聞いたときはなんだか胸があったかくなりました。

こういう悲しい想いやせつないお話が、戦時中や自由恋愛ができなかった時代にはたくさんあったのかも。

せっかくの自由恋愛の時代でも、恋愛謳歌できてないなんて、皮肉だわ(笑)




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