ボクシングから足を洗って



未練が無いわけがない。



まだまだ上にはいけたし、



無敗。




最高にボクシングが好きで、24時間ボクシングを考えるくらい、ハマってた。




念願のプロボクサーになり、



プロデビュー戦はTKO勝ち。




仲間や友達の前でも、




“男”を見せれた。




これでもない勝利。




生まれてきて、一番ぢゃないかぐらい、最高だった。






けど、その反面、将来に対する不安も感じた。




ボクシングは、頭部に攻撃をする、危険なスポーツ。



しかも、プロとなれば、毎日毎日、死ぬ気で練習してる奴らが、戦う。




中には命をかけて挑む奴もいる。




日々、スパーリングをしてる中で、




これを、何年もやり続けたら、確実に頭がおかしくなるな・・




と実感するようになった。



また、ボクシングには、やったモノにしかわからない、
悪魔的魅力がある。




プロのリングの高揚感は、なんにも変えられない。




セックスよりも、遥かに気持ちいい・・。




よく、負けても負けても、やりつづけるボクサーがいる。




もう全盛期はすぎているのに、やる彼ら・・。




彼らがやる理由は、




チャンピオンを目指しているわけではないんだ。




もぅボクシングの世界から



抜け出せなくなってるんだな。




完全にボクシングジャンキーだ。




世界を獲れば、ジャンキーでも、認められる。




けれど、ほとんどの人は、タイトルをとれず、引退していく・・。




ボクシングは、素晴らしいスポーツで、俺は大好きだが




その反面、人をボロボロにしてしまう、“麻薬”に近いモノがある。




俺は、勝つ度にボクシングにどんどんハマっていく自分、




そんな自分が、どんどん社会から遠ざかっているのを感じ、




ものすごく恐怖を感じた。



とりあえず学生プロだったので、学生を卒業したら就職しながら、ボクシングを続けよう!と思っていたが



上記の思いや、いろんな人の意見により、




一回足を洗う決意をした。



自分勝手にジムを去り、会長をはじめ、周りの人には迷惑をかけたと思う。




あれから2年・・



いまでも、正直まだ未練はある。



仕事でうまくいかなかったてき、何百回も復帰しようと本気で思ったりもした。



けれど、俺は、ボクシングの世界で“喰ってく”覚悟はない。




趣味でプロはやるつもりはない。




ボクサーの俺は、もう終わった。




けれど、ボクサーとしての魂は死ぬまで持っておきたい。




あの凄まじい経験は、かならず、社会に役に立つときがくることを信じて・・。




具体的に、今後の方向性が、ガッチリきまってるわけではないが、



いずれオヤジの会社を引き継ぐことになる。




それ以外でも、自分で何かやりたいと思うし、



今は経営について、ほんのすこしづつだけど、勉強してる。




良くも悪くも、20代は、いろいろ経験してみようと思う。




あんときの、自分は、絶対に失わずに生きていきたい。



あんときボクシングを続けてれば・・



ってのは思いたくないから、



前に、前に進みつづけるよ。