大変だ。
狗月家の炊飯器が。
狗月より長くこの家で生きている狗月家の炊飯器が。
遂に永眠してしまった。
朝、夕の二回。
毎日欠かさず働いてきた狗月家の炊飯器。
固めのご飯が好きな狗月が水の分量を少なくしたら
出来上がりが本当に固くてちょっと困ったこともありました。
偶にタイマーをセットするのを忘れられて
水に沈んだお米をどうすることも出来ず
可哀相に一人で沈黙していたこともありました。
炊飯器。
ああ…炊飯器よ。
犬は自らの死期を悟ると人知れず山へ向かうという。
自らの死期を悟り、潔くその身からパッキンを切り離した炊飯器。
なんて偉大なる炊飯器なんだ。
今日まで本当にお世話になりました。
ありがとう炊飯器。
どうぞ心安らかにお眠り下さい。
ご冥福をお祈りいたします。
喪主:狗月 洵
