水面下で少しずつ自己改革しつつも、見た目だけじゃなく中身も伴う様心がける事も忘れてない。
中身を伴う様にって、どうすれば良いのか考えたけど分からなかった。

分からないなりに自分で考えた末の結論は、『自分のやるべき事をする事』だった。
今自分がするべき事は、勉強と家のお手伝いなのかな?
出来れば義君と同じ高校に通いたい私としては、勉強あるのみ。
受験勉強の邪魔をしない程度に、義君と一緒に勉強しに行ったりする。
お料理だって率先してママのお手伝いする。
いつか、私が作った料理を義君が美味しそうに食べてくれるのを夢見て、日々修行。


日夜涙ぐましい努力をし初めて2ヶ月が過ぎた頃、いつもの様に義君の部屋で分からない数学にウンウン唸っていた時、義君が不意に話しかけてきた。

「里緒奈、最近なんかあった?」

突然の義君の言葉を聞いて、首を傾げる。
数学の問題同様に、何かあったかなぁ~と唸っていると、頭にポンと手を置かれた。
隣に座った義君を見る。

「どこがってわけじゃないんだけど、里緒奈、なんとなく雰囲気変わった様な気がしたから」

「ほっ、本当?!!義君、私本当に変わった?!」

義君の言葉があまりにも嬉しくて、身を乗り出す。

「うん。可愛くなった」

自己改革から2ヶ月。
頑張ってきて良かったぁ。
自分では気付かなかったけど、変わってきてるのかな?

外見は地味のままなのに、義君は私の変化を気付いてくれた。
やっぱり外見だけで判断する様な人じゃないんだ!
もしかしたら義君は私の外見が変わらなくても、一生懸命アピールしたら好きになってくれるかな?

「もし、梨緒奈が可愛くなったんなら義君が好きだからだよ」

「俺も梨緒奈が好きだよ」

義君は笑って言ってくれるけど、まるで本気にしてない。

「もう!本気なのに。いいもん。私諦めないんだからね」

頬を膨らませて、ブチブチ文句を言う。
今のままじゃ、義君は私の想いを本気にとってくれないし、義君自身も私のことを妹としてしか意識してくれない。

今までお兄ちゃんの様に甘えてたのがいけなかったみたい。

よし!
これからは、もっと義君に好きって態度を示そう。




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        日常に満足している陽菜と、遊び人で本気で恋する         事を知らない颯太。
         そんな二人が出会って、恋する王道ラブストーリー
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