ううーっ。頭いてー。
んん? ここどこ?
あれー。また先輩んチ 泊まったんだっけ?
痛い頭を押さえながら 起き上がると
白い部屋の中だった。
ふんわりした 白いカーテンから風が入ってくる。
ん?病院?
クマのぬいぐるみ?
ガンガンする頭で思い出してみる。
ああーっ!!そうだ。
昨日、店に来た女の子と・・・メシ食って、飲んで・・・
ヤベ。
慌てて確認する。おっ、パンツ履いてる。
って、オレは女子かっ!!
一人ツッコミをしながら、シャツを着てベッドから出る。
あ・・・なんか。いい匂い。
これは・・・・・鮭だな。うーん、日本の朝ごはんだ。
でも、喜んでる場合じゃないよな。
あの子は・・・?
キッチンに行ってみる。
ヘッドホンで音楽を聴きながら味噌汁を作ってた。
いいなぁ~。
いたずら心が出てくる。
包丁を持ってないのを確認してから
危ないからね。
そっと、後ろから頭をポンポンしてみる。
一瞬、ビクッてして 振り返るあの子。
あーやっぱ。この髪いいじゃん。って思う。
ヘッドホンを外しあの子が「おはよ」って言う。
フツーに「メシなに?」って言葉が出た。
「焼き鮭と・・・・」フツーに答えるあの子。
あれ!?
オレ等って付き合ってたっけ?って勘違いしそうなシチュエーション。
二人でメシ食って。オレがコーヒーを淹れて。
自然な感じで「ごちそうさま。ありがとね」って言って玄関に向かう。
薄いクリーム色のふわっとしたワンピースを着たあの子に
気になるコトを聞いてみた。
「あのさ・・・オレ等って・・・」
「してないよ」
「・・・うん。ご飯おいしかった」
そしてドアを閉めた。
「また・・・」って言おうとしてやめた。
多分、あの子はもう店には来ない。