エレベーターの扉が開いたと同時に逃げるように先に降りた。
何故私はこんなにもイライラしているのだろう。
冷静になって考えた。
きっと図星だったから。
彼の名前は福田さん。
何処にでもいる普通の人だ。
モンタージュを作成する事があれば、きっと描く人が困るくらい特徴のない顔の人。
翌日以降、お互い何事もなかったように過ごす。
今、うちの会社のとあるプロジェクトに参加しているので、ほぼ毎日やってくる。
大人だから普通に話す。
そんなある日、後輩のミスで福田さんの会社に多大なる迷惑を掛けてしまった。
すぐに知らせてくれれば何とかなったかも知れないのに、なんと後輩は全く連絡が取れなくなりメールで退職届を送ってきた。
直属の先輩だからと言う理由で、私が謝罪に行くことになった。もう憂鬱でしかない。
電車を乗り継いで取引先に到着した。