翌日。

最寄駅の自転車置き場に昨日の同僚さんがいた。


同「夕べは大変失礼しました。」


私「わざわざそれを言いにここまで来られたんですか?」


同「はい。ちょっとお耳に入れておいた方がいいかなと思うことがありまして。」


私「よく私の帰宅時間が分かりましたね。」


同「昨日と同じ時間ならお会いできるかなと思ったので。」


私「そうでしたか。で?話したいことってなんですか?」


同「あなたの話を聞いて、やっぱり渡辺の独りよがりだったことが分かりました。

あれから数時間、居酒屋で今後のことを話し合ったのですが、渡辺は置かれてる立場を全く理解してませんでした。」


私「でしょうね。そんな気はしてました。」


同「なんて言うか‥‥可能なら逃げた方がいいかも知れません。」


私「あー、なるほど。そこまでしなきゃならないんですね。」


同「まだあなたに脈アリだと思ってます。僕達がおかしいと言われました。たぶん、今後も家に押しかけると思いますよ。」


私「なるほど。鍵返してもらって安心してる場合じゃないってことですね。」


同「その通りです。何か起こる前に一刻も早く逃げてください。」


私「分かりました。ご忠告有難うございます。もし良ければですが連絡先交換していただけますか?」


同「いえ、それは勘弁してください。申し訳ありませんがもうこの件は関わりたくありません。ごめんなさい。」


私「そうですか。変なこと言ってごめんなさい。」


同僚「いえ、こちらこそ急に来てごめんなさい。その‥‥どうかご無事で。」


そう言って深々とお辞儀をして帰って行かれた。


私が思う以上に由々しき問題なのかも。