私も須藤さんも、その顧客について知ってることは会社名と苗字だけだった。


恐らく須藤さんは痺れを切らしてその人のことをネットで検索しまくったのだろう。


1人で会社経営している社長で、ホームページなどはなく、地元でなんらかのお祭りに協賛した時の集合写真が出てきた。


小さ過ぎて顔が分からないけど、恰幅の良い普通のおじさんだ。


須藤さんがこう言った。


須「あなたにいろいろ頑張ってもらったけど、やっぱり交際はお断りしようと思って。」


私「何か連絡来たんですか?」


須「ううん、まだ来てないよ。でも、好みじゃないからもういいの。だから来ても電話繋がないでね。」


私「分かりました。」


なるほど。

絶対フラれたとは思いたくないのね。

なんとか体裁保つのに必死なんだ。


でも大丈夫。誰にも言わないから。

言ったら私の嘘がバレるから墓まで持っていくよ。


お疲れ様でした♪