柴田さんは彼氏の写真を見せてくれた。
柴田「どう?驚いた?」
私「うん、すっごいイケメンだね。」
柴田「え?そこ?」
はにかむ姿が何気に可愛い。
私「で?私にお願いって何?」
柴田「親を安心させるために恋人のフリをして欲しい。」
私「うーん。それは‥‥」
柴田「やっぱ無理?」
私「ひとつ聞いていい?」
柴田「うん。」
私「柴田さんって男女どっちもいけるの?」
柴田「いや、俺は生粋のゲイなんだ。」
私「そっか。ならこのお願いは聞けないな。」
柴田「え!なんで?」
私「もしバイなら協力してもいいかなって一瞬思ったけど、一生女性と結婚しないし、子供も持たないのなら親御さんに早めにカミングアウトすべきだと思うから。」
柴田「そうかな。」
私「うん、そうだよ。だって私を未来の花嫁として紹介したら、いつ結婚するんだろう、いつ孫を見せてもらえるんだろうってずっとモヤモヤするんだよ?その方が親御さんにとって辛いものだと思うけどな。」
柴田「分かった。ちょっと考えてみるよ。」
私「頑張って!じゃ私、先に行くね。」
いろんな悩みがあるんだな。