とある金曜日。

夕方からの大雨で途方に暮れていた。

電車で最寄駅まで行き、自転車に乗って息子を迎えに行かなければならない。

天気予報では晴れだったのにな。


刻一刻とお迎えの時間が迫ってきた。

止まないな。

仕方がない、意を決して迎えに行こう。

すると同僚がこう言った。


同「良かったら車で送ろうか?」


私「いやいや、悪いからいいよ。」


同「どうせ通り道だし、ついでだからいいよ。」


私「家どこだっけ?」


同「〇〇町」


うーん、そんなに近いわけではないけど遠いってほどでもない。


私「有難う。甘えます。」


同「息子くんを乗せて家まで行くよ。」


私「有難う助かる!よろしくお願いします!」


自転車駅に置きっぱになるけど、明日取りに行けばいいか。


同僚の運転で保育所に到着。

息子を拾ってそのまま家まで送ってもらった。


私「ほんっと有難う!助かったよ。」


同「どういたしまして。じゃあね」


良かった。こんな豪雨に傘なして帰宅できたなんてラッキーだ。

自然と笑みが溢れる。


エントランスに入るとそこには鬼の形相の夫が立っていた。


夫「俺がいないと楽しそうだな。」


‥‥なんでいるんだ。