入籍するにあたり母に連絡した。

そっか分かった、お父さんには私から言っとくねと電話を切られた。

相変わらずだ。知ってたけどね。


山崎さんのご両親は既に他界。

お互いバツイチなので結婚式はせず新婚旅行も行かなかった。

新居は山崎さんの家にそのまま私が入る形になった。


私はすぐに妊娠し、それを機に退職した。

仕事は続けるつもりだったけど山崎さんに家庭に入って欲しいと言われたからだ。


私より山崎さん‥‥もとい夫の方が妊娠を喜んでいた。

まだぺったんこのお腹に手を当てて早く会いたいと嬉しそうだった。


私は元気なら男の子でも女の子でも良かった。

でも夫は絶対女の子が欲しいらしい。

お嫁には出さない、パパが世界でいちばん好きになるよう教育するんだと嬉しそう。


家のことは極力しなくていい、僕が帰ってきてからやると言ってくれたけど、悪阻もないし大丈夫と言ったら無理しないでと頭を撫でてくれた。


2人で出かける時も気にかけてくれるし、病院の両親学級にも進んで参加してくれた。


きっといいパパになるんだろうなとこの時は思っていた。


‥‥この時は。