早朝。

お隣のガジュマルくんの鳴き声で目が覚めた。

これは飼い主さんが体調不良に違いない。


ささっと身支度をしてお隣のインターホンを鳴らすと、より一層ガジュマルくんの鳴き声が大きくなった。


山崎「はい。あれ?どうしたの?」


私「まだ調子悪いですよね。良かったらガジュマルくん、その辺散歩させてきますよ。」


山崎「うわ、助かる!実はガジュ、家では絶対しっこをしなくて。」


私「分かります。うちのチビもそうでしたから。」


山崎「ではお言葉に甘えて。よろしくお願いします。」


そう言ってリードとビニール袋を渡された。


懐かしいこの感じ。

チビを思い出してちょっとウルッときた。


思いっきり駆け出すガジュマルくん。

うっかりリードを離してしまった。

しまった!このままだと迷子になる!


するとガジュマルくんは失速し、私がリードを拾い上げるのを待っていた。

持つや否や、再び走り出した。


私を見上げる姿はまるでチビそのものだ。

ホントに可愛い。


マンションを一周して部屋に戻った。

自販機でポカリとお茶を買い、山崎さんに渡した。


山崎「有難う、ホント助かった。」


私「いえいえ。とても楽しかったです。いつでも言ってください。」


山崎「もしよかったらLINE交換してくれない?」


私「いいですよ。」


自宅に戻り、そのまま出社した。

朝ごはんは自分のデスクでパンを食べた。


お昼過ぎ、もうすっかり良くなったと山崎さんからLINEがきた。


良かった。