杉本さんの家はとても綺麗だった。
特に綺麗好きではないけど、気付いた時に片付けたり掃除したりしてるだけだと言っていた。
料理も苦にならないんだそう。
私のように仕方なくとか節約の為とかではなく、自分で作った方が美味しいから。
実際にとても美味しかった。
和食中心で体にも良さそう。
私の方が帰宅が早いので、平日は私が、休日は杉本さんが料理をした。
でも途中から家事は私担当にしてもらった。
手伝うよと言われたけど、私なりの拘りがあって我儘言ってやらせてもらった。
だんだんとお互いの嫌なところが見えてきた。
一度だけ意見を言ったことがある。
でもすぐ却下された。
今までずっとしてきたことだから、今更直せない、ごめんねと言われたので私も諦めて二度と言うことはなかった。
春になった。
お互いの思いはきっと同じだ。
杉本さんが私にこう言った。
俺達、もうこれ以上一緒にいない方がいいね。
うん、そうだね。
今まで有難う、お世話になりました。
そう言って私は自分の家に戻った。
この数ヶ月間
本当に
本当に
苦痛でしかなかったよ。