残業で遅くなり、急いでスーパーに向かった。 

特売の日だったのでレジ袋2つ分の買い物をし、小走りで帰路に向かう。


すると数メートル先で男性が小銭をぶちまけていた。

1つずつ拾い上げ、歩き出した。

よく見ると道の端っこに500円玉が光っている。

慌ててそれを拾い、その男性に駆け寄って渡した。

丁寧に何度もお礼を言われた。


その一部始終を夫に見られていた。


夫「あのまま貰っておけばいいものを。」


私「ダメだよ。そんなことできない。」


夫「だからいつまでたっても貯金ができないんだよ。」


私「関係ないから。それよりこの袋、1つ持ってくれない?」


夫「甘えるな。俺と会わなければ2つとも家まで持つつもりだったんだろ?」


私「そうだね。お願いした私が馬鹿だった。」


夫「この時間にここにいるってことはメシができてないってことだよな?」


私「ご飯はタイマーで炊き上がってると思う。帰ったらすぐに取り掛かるね。」


夫「待てないから。ここでメシ食って帰る。後で飯代請求するからな!」


そう言って1人でお店に入って行った。



私が夕食を食べていると帰ってきた。


夫「俺がいないからって肉なんか食いやがって!」


私「今日はこのメニューって決めてたから。勝手にあなたが外食したんだよね?」


夫「外食代8000円」


私「‥‥レシート見せて?」


夫「ないよ。大の男がいちいちレシートなんか受け取らないから!」


私「いつもそう言うけど、レシートないならお金渡せないから。てか、いつもいつも同じ会話してない?私達。」


夫「俺が稼いだ金だ!早く出せよ!」


私「この話も何度も何度もしてるけど、あなたじゃなくて私が稼いだお金なの。ただレシートがあれは渡すっていつも言ってるよね?分からない?」


ここで夫は舌打ちをしてくしゃくしゃになったレシートをテーブルに放り投げた。


私「はい、1250円ちょうど。」


夫「お前は金の亡者だ!」



いや、それはお前だよ‼︎‼︎