いらっしゃいと両親が迎えてくれた。

それだけで涙が止まらない。

夫に事情を説明させてみたけど、何言ってるのかさっぱり分からない。

仕方なく私から説明した。


絶句する両親。

夫は呑気に出された茶菓子を食ってやがる。


実はおめでたの報告だと思っていたらしい。こんな暗い話で申し訳ない。

父がこう言った。


「事情は分かった。でもよく相談してくれたね。400万を作るために保険や預金を解約しないでくれて本当に良かった。」


また涙が止まらない。

夫は茶をすすってやがる。


「ちょうど満期の貯金があるんだ。それをそのまま渡すよ。週明けにでもそっちに振り込むから。」


こんなにタイミングよく満期になるなんて絶対嘘だよ。


「お父さんごめんね、本当に有難う。」


敢えてワザと土下座してみた。

夫はお茶のお代わりをしていた。


「あなたからは何も言わなくていいの?」


「え?あーお菓子美味しかったっす!」


「貰ったんじゃなくて返すんだよ?分かってる?」


「え?俺が借りたんじゃないのに?」


「保証人になったってことはそう言うことだから!」


「いやいやいや、勘弁してよ!親父に返してもらえはいいだろ?」


「そうだね。あなたから言っといてね!」


「分かったよ。」



母が私の耳元で囁いた。


「大変だね。いつでも帰ってらっしゃいね。」


一刻も早くそうしたいよ。