百貨店で買い物をしていたら、なんと空人くんとその両親にバッタリ会った。


「先生、お久しぶりです!急にLINE上からいなくなったから心配してたんですよ。兄も同じこと言ってました。お元気でしたか?」


隣で母親が不穏な笑みを浮かべている。

きっと私が約束通り2人と距離を置いたことに安堵したのだろう。

ホントは散々ヤルことヤッてさよならしただけなんだけどね。


「ごめんね。スマホの機種変したらうっかり友達全員消去してしまったみたいなの。」


「そうでしたか。なら今LINE交換してもらって良いですか?」


ここで母親が鬼の形相でしゃしゃり出てきた。


「先生はお忙しいんだから我儘言わないの!」


「えー別に良いじゃん!」


「今日スマホ忘れたからまた今度ね。」


「分かりました。」


それじゃまたと3人は去っていった。

2人に気付かれないように母親は私を思いっきり睨み、あかんべーをしてきた。


なんだ?その態度は。

むしろ私に感謝すべきじゃないの?

相変わらず嫌なやつだ。


父親とは今日初めて会ったけど挨拶返さないし、合格のお礼も言えない人だった。

夫婦揃って非常識だな。


一瞬父親も誘惑して穴三兄弟にしてやろうかと思ったけどやめた。

脂ギッシュな顔、控えめな頭頂部、まるで芋洗坂係長みたいな風貌。


コイツと牛、どちらかとヤれって言われたら迷わず牛を選択するレベルだ。

気持ち悪すぎて触れたくもない。


いけないいけない。

これからは品行方正に生きていくと決めたのだから、馬鹿なことは考えないようにしよう。