お母さんは私のことをいろいろ調べたらしい。
高校生の時社会人と付き合っていた。
友達が1人もいない寂しい高校生活。
大学生になり多少友達ができたが、中卒の彼氏の家に入り浸り。
ぐうの音も出なかった。
こんな十字架背負って生きていかなきゃならないのか。
「分かりました。二度とご子息には連絡しないので安心してください。」
「会うのは今日が最後だからこの際はっきり言うね。あばずれのあなたがウチに来るたび息子に悪影響与えたらどうしようって気が気じゃなかったのよ。だから常に海人と空人を一緒の部屋にいさせたの。」
‥‥あばずれって。随分酷い言い方だな。
「そうでしたか。なら解雇してくださっても良かったんですよ？」
「大学合格とあばずれを天秤にかけたのね。そしたら続けてもらった方が得だって分かったの。費用も相場より安かったしね。」
「そうですか。」
「ポケモンがどうこうって言った時、コイツ正気か？って思ったの。あばずれの底辺女の考えは理解不能って思ったけど、空人がやる気になったし成績向上したから、まぁ結果オーライね。」
「そうですか。」
ふと思った。
今日のお母さん、誰かに似てると思ったら高校時代私をいじめた奴らの顔にそっくりだった。
目を見開いて叫ぶ姿はとても滑稽だった。