飲み会やカラオケに行く度、羽が生えたようにお金が飛んでいく。
そこでバイトをもう一つ増やした。チェーンの居酒屋で働くことになった。
そこで知り合った同じ年の伊織。
彼は高校中退して働いていた。夢を追いかけるために敢えてそうしたんだそう。
お客さんに大人気で接客も丁寧。何度も助けられた。
夢って何?と聞いたら付き合ってくれたら教えるよと言われた。
周りにいないタイプだったし、何より顔がドストライク。すぐに交際開始した。
伊織はお店の近くで一人暮らし。
大学とバイトの合間に寄ることが多かった。
一度料理を作ってあげたら大喜び。また作って欲しいと言われて調子に乗った私。気づけば作るのが当たり前になっていた。
もちろん毎日は無理なので、定期的に作り置きをしていた。
買い物したり部屋の掃除をしたり、新婚気分で楽しかった。
でも、食材費を一度も貰えなかった。
今金欠なんだ今度払うと言われた。
まあいいか。
この時思った。私って意外と尽くすタイプなんだなって。