皆んなでカラオケに行こうと駅で電車を待っていた。

どうかここでA大生に会いませんようにと心の中で呟いたら、なんと制服姿のりおなが息を切らしてやってきた。


ん?なんで制服着てるの?コスプレかなんかなの?

私を指差しこう言った。


「コイツのせいで酷い目に遭った!」


キミは自分の都合が良いように脳内変換させる天才だね。


「自分だけ大学生になってチャラチャラするなんて許せない!」


ここでえりがりおなに言った。


「何があったの?」


「コイツのせいでクラスのみんなから無視された。だから学校に行けなくなって留年した!」


あら、退学じゃなくて留年したのか。コスプレではなかったのね。


海人が言った。


「で?この子に何されたの?」


「コイツは何もしなかった。でも他の子全員に無視されたんだよ!コイツのせいで!」


「うーん、よく分からない。何もされてないならこの子は悪くないよね?」


「コイツがいなければこんなことにはならなかった!だからコイツが‥‥」


ここで遠くから女子の叫び声が聞こえてきた。


「おーいダブリー!いつまで待たせんのー?早くコーラ買ってきてよー!」


「あーごめんすぐ行くー。」


「早くしてよねー」


「はーい。」


キッと私を睨みつけ駆け足で去っていった。


一瞬シーンとなった。何か聞かれたら嫌だなと思っていたら海人がこう言った。


「カラオケで俺のオハコの北島三郎あるかなー。」


皆んな大爆笑。

何も聞かないでくれて有難う。


それにしても、不登校になって留年して年下にダブリって呼ばれてパシリにさせられるなんて凄い人生だ。


けっ、ざまーみろ‼︎‼︎