りおなにも宮崎さんにも会いたくなかったから、翌日一本電車を遅らせた。

これが全ての始まりだった。


私が教室に入ると、りおなは泣いていた。

りおなの彼氏を私が取ったと言いふらしていた。


なるほど。これをみんなは信じる訳だ。

可哀想なりおな像の完成。


1人をターゲットにすると結束は固くなる。いじめられて不登校だった子が急に登校してくるようになり、一丸となって私を攻撃してきた。


登校するようになってさぞかし親御さんも先生も喜んだたろう。でもね、目を輝かせながら私に暴言吐いてるよ。いいの?


大丈夫。私はこんなくだらないことで潰れたりしないから。

でも修学旅行や林間学校が済んでて良かった。こんな状態で何日もお泊まりは流石の私でもキツい。


でもね、やっぱり神様はいた。

りおなの言動の違和感にみんな気づきだした。いつも違う男性と歩いてる、彼氏が繁華街でりおなに逆ナンされた、これはひょっとして嘘ついてるのはコイツなの?と。


みんな私に意見を求めた。

たった一言だけこう言った。


りおなの彼氏を取った覚えはない。


はい、ターゲットチェーンジ‼︎