駅で待ち合わせて宮崎さんの家に向かった。

私が通う高校を通り越してすぐのマンションだった。


ワンルームのこじんまりした部屋だった。

まだ越して来て数ヶ月だからか、とても綺麗に片付いていた。


冷蔵庫からアイスコーヒーを出してくれたけど、私はコーヒーが飲めない。


なのでミネラルウォーターにした。

持ってきたドーナツを2人で頬張った。


テレビが付いてるけど内容が入ってこない。そのくらいとても緊張していた。

えっと、この後どうすればいいんだろう。


宮崎さんがこう言った。



「知り合ってまだ半年ほどだけど、今後はどうしたい?」



私に選択させるの?ちょっと卑怯じゃない?しばらく黙ってみた。



「えっと‥‥俺は付き合いたいと思ってる。」



やった!



「私もお付き合いしたいです。」



「そっか。でもね、まだ15歳だよね。犯罪になっちゃうから、そういうことはまだ先っていうか‥‥」



「はい。」



「だからしばらくはその‥‥清い交際をしなくちゃいけない訳で」



「そうですね。」



「だから、今日は解散ってことでいい?」



はいっ⁇⁇



「分かりました。」



「駅まで送って行くから。」



あぁもう焦ったい‼︎‼︎

ここでりおなの真似をしてみた。

オデコをくっつけてこう言った。



「付き合った記念にファーストキスを奪ってください。」



ばっと宮崎さんに抱きしめられ切なそうな顔で見つめて来た。



「いいんだよね?」



「はい。」



そっと触れるか触れないかくらいのキス。


見つめ合ってふふって笑った。



「さ、送るよ。」



ちょっといいなって思ってた人が彼氏になった日。