創立記念日当日。りおなと合流した。


改札は二つあるけど多分こっちを利用しているはず。


あ‥‥来た。

いつものように爽やかスーツ姿だ。


定期券で改札に入り、同じ車両に乗り合わせた。


りおなは何故か伊達メガネを掛け、ベレー帽を被っていた。

形から入るものよと訳の分からないことを言っていた。


何処で降りるんだろう。

定期券の区間外なら乗越料金を払わなきゃならない。

あれこれ戸惑っているうちに見失うかも。


見ていたスマホをポケットに入れたから次降りるのかな。

りおなが90円用意してと言った。

そっか、なる早で精算しなきゃならないから咄嗟に調べてくれたのか。気が利くな。


ここはオフィス街だからみんな一斉に降りた。見失わないように追いかけた。


りおなとは別の精算機を利用し、なんとか無事に追いついた。


2人とも無言。

いよいよとあるビルに入って行った。

奥に行くには、なんかカードみたいなものをピッてしなくちゃならないらしく、私達が行けるのはここまで。


エントランスで途方にくれる。


りおながメモをとっていた。

このビルに入ってる会社を片っ端からメモしていた。

すごい!頭が良い子はこんなにも機転が効くのかと感動した。


まだ9時過ぎ。

とりあえずその辺の喫茶店でモーニングを食べることにした。


名探偵りおなは最終3社に絞っていた。

ここは派遣会社だからここで働いててる可能性は低いなどと熱く語ってくれた。


ここでふと気づいた。

働いてる会社を知ったところでどうなるのか。

2人で大笑い。


とても緊張したけど朝から楽しかった。

楽しい創立記念日になったと私が言うと、りおなは明日の朝に告白しようと提案して来た。


いやいや、こんな小娘相手にされないよ‼︎