りおなはとてもモテる。


下校中に声を掛けられることもしばしばだった。


君たち何年生?一緒にお茶でもどう?てな感じ。


しかし私とは一切視線が合わない。

ま、お目当てはりおなだからね。


私に気を遣ってくれてるのか、2人の時について行ったことは一度もなかった。



ふと気になったのでりおなに聞いた。

中1でキスした後、次の段階まで進んだの?と。


なんとキスの子とはそれっきりで、初体験は塾の子と中3の時に済ませたらしい。


歴代の彼氏は5人で、高1の今はやはりナンパで知り合った他校の生徒。



彼氏どころか好きな人もいない私にとってまるで別世界のお話だった。


膨らむ妄想。

りおなに置いていかれたくなくて、誰かを好きになってお付き合いしてみたい。


でも女子校なのでなかなか出会いがない。



そんなこんなで、ちょっと気になる人が現れた。


毎朝登校中にすれ違う社会人の人。

スーツ姿が眩しいサラサラヘアーの長身の人。


あの人素敵だねとりおなに言ったら、おじさんが好きなんだねってちょっと揶揄われた。

でも面白そうだから今度の創立記念日に後をつけよう。探偵ごっこみたいで面白そうとノリノリ。


ちょっと気になる程度だったのに、りおなが背中を押してくれた。



私達は創立記念日に、いつもの時間にいつもの駅で待ち合わせた。